自動火災報知設備ををご存知ですか?
火災が起きた際にいち早く煙や熱などを感知して教えてくれる設備を自動火災報知設備と言います。
自動火災報知設備は2004年の消防法改正により戸建を含めすべての住宅に設置義務が課せられました。
ここでは自動火災報知設備の種類や定期点検、業者選びについてご案内します。
いざという時に火災をいち早く教えてくれ、命を守る手助けをしてくれる自動火災報知設備について知り関心を抱いていただくことで身を守るためのきっかけになったら嬉しいです。
株式会社 林田電気工業
林田竜一
代表取締役
行橋市で電気工事会社を経営しています。お客様ひとりひとりに丁寧に対応し、電気でつなぐ明るい未来をスローガンに地域に貢献できるように努めています。
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火災の発生を知らせてくれる火災報知設備は、火災の被害を最小限にとどめる役割と火災発生時に迅速に避難するために重要な設備です。
火災報知設備は消防法の改正により戸建住宅にも設置が義務化されています。
ここでは自動火災報知設備の仕組みと義務化について詳しく解説します。
自動火災報知設備とは
自動火災報知設備とは火災をいち早く知らせ早期避難・初期消化を行うために大切な設備の一つです。
火災が起きた際に警報を発し、火災発生箇所を特定する役割も担っています。
非常ベル等の音を鳴らして建物内にいる人に火災発生を知らせます。
警報を鳴らすことから「火災警報器」とも呼ばれています。
自動火災報知設備は複数の装置によって構成されています。
受信機
受信機は火災受信機と呼ばれることもあります。
自動火災報知設備の中心的機能で、自動火災報知設備の管理操作を行うことが可能です。
受信機は火災時に完治機から発せられる火災信号を受信します。
その後に警報ベルを鳴らしたり、防火防炎シャッターを下ろしたりして速やかに避難できるように、また、火事が広がらないようにする役割を担っています。
さらに、消防署や警備会社などに自動的に通報するといった役割も持っています。
ビルやマンションなどの場合には管理人室・中央管理室に設置されていることが多いです。防災センター室がある場合はそちらに設置されることもあります。
中継機
感知器の火災信号を受けて受信機へ送電する役割を担っています。
火災信号を受信開始してから、5秒以内に受信機へと伝達することが定められています。
特に大きな建物やビルなどには重要と言われている装置の一つです。
発信機
ビルなどで目にすることが多い、非常ボタンと表示灯、音響装置が一緒になっている装置です。
火災発生時に、非常ボタンを押すことで火災信号が発信されます。
人の手により非常ボタンは押される仕組みとなっています。
火災信号を発する「非常ボタン」
火災発生を周知するための「音響装置」
発信機の設置位置をわかりやすくするための「表示灯」
で構成されています。
これらが収納されている箱状のものは「総合盤」「機器収納箱」と呼ばれます。
表示灯
発信機と一緒に設置されている赤色灯のことです。
非常時では非常ボタンがどこにあるのかを判別しやすいように目立つように作られています。
感知器
廊下やて部屋の天井にドーム型の白い機器が取り付けられているのを見たことはありませんか?
これが感知器です。
改正消防法により2011年以降、全国の自治体で設置が義務けられた住宅火災放置設備(住宅用火災警報器)をイメージされるとわかりやすいのではないでしょうか?
感知器は後述で詳しく解説します。
音響装置
ベルやブザー、サイレン、音声案内など火災を周囲に伝えるための装置です。
スピーカーのような外観をしていることが多く、非常時でも周辺に伝達がされやすいような構造で作られています。
音響装置は、発信機と表示灯と一緒に「総合盤」を構成する機器の一つでもあります。
自動火災報知設備は設置が義務化されている
2004年に行われた消防法の改正により、戸建を含めたすべての住宅において住宅用火災警報器(自動火災報知器)を設置することが義務化されました。
自動火災報知設備の義務化は段階的に行われ、2006年6月に新築住宅への設置が義務化されました。
続いて既存住宅へも義務化が進み2011年6月にはすべての住宅が対象となったのです。
義務化の背景には火災の際に逃げ遅れによる死者数の多さがあったと言われています。
火災の際の逃げ遅れは深刻な問題とされ、また、高齢化が進むにつれて逃げ遅れによる被害が顕著になると言われています。
今後さらに高齢化が進むことも鑑みて、住宅にも自動火災報知設備の設置が必要だと考えられるようになったようです。
ただし、自動火災報知設備を取り付けなかったとしても罰則が発生するということはありません。
自動火災報知設備は火災からご自身やご家族の命を守るために設置するものです。
義務化の背景も十分に鑑みて、必ず取り付けるようにしてください。
自動火災報知器の火災発生時の流れ
万が一火災警報器が鳴った場合は落ち着いて状況を確認しましょう。
慌ててしまうと思いますが、動ける人が動き、避難を促すことが大切です。
火災が発生していると思われる箇所に消化器を持ち向かいましょう。
その際に警報音はすぐに止めないでください。避難を促すために警報音は必要です。
火災ではないとはっきりと確定した場合に警報音を止めると良いでしょう。
明らかに火災である場合には速やかな避難が必須です。
また、マンションなどで自動火災報知設備がなった場合は基本的にはすぐに避難の準備をされることをお勧めします。
マンションやビルで自動火災報知設備が作動した場合は詳しい状況はわかりにくです。
マンションやビルなどの自動火災報知設備は建物全体に警報音を鳴らす仕組みになっているためです。
自宅で火災が発生していないのに警報音が鳴った場合は建物内のどこかで火災が発生している可能性があると考えられます。
自動火災報知設備の感知器は大きく4種類に分けられます。
それぞれ感知するものが異なることが特徴です。
「熱」で火事を見つける熱感知器
火事が発生した際の熱に反応するのが熱感知器です。
熱感知器は天井に取り付けられていることがほとんどです。
熱を感知するタイプは煙が発生しやすかったり、熱が溜まりやすい場所に適していると言われています。
主にキッチンや車庫などに設置されることが多いです。
定温式センサー
定温式センサーは温度が設定値に達すると警報を発します。
たとえば、センサーが57度Cに設定されている場合、その温度になると火災報知器が作動するというような仕組みです。
定温式センサーは、温度がゆっくりと上昇しても高温が一定時間続くようなシーンが想定せれる場所に適しています。
差動式センサー
差動式センサーは温度が急激に上昇すると警報を出します。
例えば、1分間に8度以上の温度上昇があった場合に警報が作動します。
差動式センサーは、火災が急速に広がりやすい場所に適していると言われています。
センサーを選ぶ際は、設置場所や火災のリスクに応じて最適なタイプを選ぶことが重要です。
それぞれのセンサーは特定の状況下で最も効果的に機能するように設計されています。
「煙」で火事を見つける熱煙感知器
火事の際に煙に反応するのが熱煙感知器です。
煙を感知するタイプの感知器は、消防法によって寝室や階段に取り付けが義務つけられています。
煙感知の方が熱感知識よりも早く以上を感知できる特性があります。
光電式スポット型感知器
スポット型感知器は感知器内部に煙が侵入することで警報を発するタイプです。
スポット型感知器は天井につけられることが多く部屋の空気中の煙を直接検知します。
比較的狭い空間での使用に適しており、住宅や小規模な商業施設などで使用されていま流ことが多いです。
光電式分離型感知器
分離型感知器とは2つの光学機器から構成されています。
送光部と受光部を対抗に設置します。
火災が起きた際、煙による光の乱反射や送光部と受光部の光ビームが遮光されたことを検出するタイプの感知器です。
分離型感知器は送信器と受信器が物理的に分離して設置されており、広範囲をカバーできます。
そのため大きな倉庫や高い天井のある施設に適しています。
画像引用元:一般社団法人日本火災報知器工業会
2つの性能をもつ複合式感知器
前述までの感知器を組み合わせた感知器もあります。
熱複合式
熱複合式感知器は、一定の温度を検知するセンサーと温度の急激な上昇を検知するセンサーの両方を組み合わせたものです。
異なるタイプの火災に対してより迅速かつ正確に反応することができます。
熱煙複合式
熱煙複合式感知器は、熱感知と煙感知の両方の機能を持っています。
熱煙複合式は、火災の初期段階で発生する熱や煙のどちらも検知することができるため、より早期に火災を警告することが可能です。
煙複合式
煙複合式感知器は、異なる種類の煙感知技術を組み合わせています。
例えば、可視煙粒子と不可視煙粒子を同時に検知することで、さまざまな火災の状況に対応できるように設計されています。
炎複合式
炎複合式感知器は、炎自体の特性(例えば、赤外線放射)を検知する技術と、他の要素(煙や熱)を組み合わせています。
これにより、炎が存在する火災を非常に迅速に検出することが可能です。
画像引用元:一般社団法人日本火災報知器工業会
点検周期と点検内容
火事を知らせてくれる自動火災報知設備。
日常生活で作動することがないため点検やメンテナンスをついつい忘れてしまいがちということもあるようです。
そのため、故障に気づかずに、万が一の場合に作動してくれないということも。
特定の建物は消防法17条で定期点検が定められており、点検結果を消防機関に報告する必要があるケースがあります。
特徴 | 点検頻度 | 主な建物例 | |
---|---|---|---|
特定防火対象物 | 不特定多数の人々が出入りする建物。火災リスクが高い。 | 1年に1回 | 劇場、飲食店、百貨店、ホテル、病院 |
非特定防火対象物 | 公共の利用が少ない、または特定のグループに限られる建物。 | 3年に1回 | マンション、学校、図書館、神社・寺院、工場、文化財 |
住宅の定期点検
住宅の火災報知器設備には点検の義務はありません。
しかし、いざという時のために点検を行うことは大切です。
長い間留守にした時は点検を行いましょう。
また、定期的に点検や電池の交換を行うようにしてください。
自動火災報知設置工事はどのような流れで行われるのでしょうか?
- 建物の面積による基準
- 収容人数による基準
- 指定可燃物などの数量による基準
基本的に自動火災報知設備はこのような基準で決まります。
建物の用途によっても異なります。
さらに、各自方自治体の定める火災予防条例によっても異なる可能性があります。
自動火災報知器の設置基準は複雑です。そのためすべての建物に対して同じように該当するということはありません。
自動火災報知設備は後からつける
消防点検の結果、自動火災報知設備を追加で設置する必要が生じる場合もあります。
既存の建物に対して新たに設置する場合には「後付け工事」を専門業者に依頼して行いましょう。
自動火災報知設備は概ね次のような工程で行われます。
- 点検口の設置
- 配線の設置
- 総合盤や感知器の設置
- 受信機の設置
配線は見えないように行う必要があるため、天井裏にアクセスしたり壁に穴をあけるという工事が必要になります。
自動火災報知設備工事は専門業者にお願いする必要がある工事の一つです。
消防法や設置に関しての報告義務がある場合もあるため、書類制作から届出まで熟知し行ってくれる業者を選ぶことが大切です。
実績と評判
自動火災報知設備の設置を検討する際には、地元やインターネットでの評判を確認すると良いでしょう。
自治体指定の業者になっていたり、地元での評判や評価が多いとより安心です。
自動火災報知設備は消防法によって取り付け箇所や個数、種類が定められています。
そのため実績とノウハウと知識を兼ね備えた業者に依頼すると安心です。
緊急時の対応も確認しましょう
自動火災報知器は突然誤作動を起こすこともあります。
また、予期せぬトラブルで自動火災報知器が作動しなくなることもあります。
自動火災報知器は万が一の火災の際に人命を助けてくれる大切な設備です。
通常では使う必要がない設備だからこそ、万が一のために備えることが大切です。
誤作動やトラブルで万が一の時のために自動火災装置が作動しなくなることは大変危険です。
緊急時にも対応を迅速に行ってくれる業者に依頼するとより安心です。
アフターメンテナンスと点検
大きい建物や特定の建物の自動火災報知設備には定期的な点検が義務つけられています。
住宅用の自動火災報知設備にも定期的な点検が義務つけられています。しかし義務を怠った際の罰則は特に定められていません。
普段使われることがない自動火災報知設備だからこそ、定期的な点検を行ってくれる業者を選ぶと良いでしょう。
点検の報告義務がある自動火災報知システムは専門業者に報告についても相談すると良いでしょう。
また、住宅用の自動火災報知設備は報告義務がないため、そのままになってしまうことも多いようです。
しかし前述の通り、いざという時に作動できない状態は大変危険です。
そのような事態を避けるためにもアフターメンテナンスや定期点検を行ってくれる業者を選ぶことをおすすめします。
いかがでしたか?
自動火災報知設備工事は大きな建物や特定の建造物以外にも設置が法的に義務つけられています。
部屋の広さや用途によって設置する種類や個数が変わってきます。
そのため設置には専門業者の知識や工事が必要となります。
普段は使うことがない、使われることがないことが最善の自動火災報知設備。
しかし万が一の時のために日頃から意識し、もしもの時に正常に作動してくれる状態にしておくことが大切です。
ご自分の身の回りの自動火災報知設備を意識していただけるきっかけになりますように。
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