行橋市の防災協定と電気自動車で停電に備える

福岡や北九州で暮らしていると、夏から秋にかけて「今年の台風は大きいのかな」と、空を気にする日がありますよね。

大きな台風や急な豪雨のあとに、「もし長い停電になったら、うちはどうなるんだろう」と、ふと不安がよぎった方もいるかもしれません。

行橋市をふくむ北部九州は、台風や水害と決して無縁ではない土地です。

それでも行橋市には、「もしも」に備えるしくみが、いくつも重ねられています。

そのひとつが、災害のときに電力の復旧を担う防災協定です。

株式会社林田電気工業も、行橋市電設協議会の一員として、この災害時の電力復旧を担う防災協定を締結しています

停電が起きたときに、暮らしに欠かせない電力の復旧を担うという約束が、あらかじめ交わされているのです。

さらに行橋市は、遠くの自治体と助け合う「市町村広域災害ネットワーク災害時相互応援に関する協定」も結んでいます。

そしてもうひとつ、近ごろ心強い存在として注目されているのが、災害のときに電源として使える電気自動車です。

行橋市がどんなふうに災害に備えているのか、電気自動車が停電のときにどう役立つのでしょうか。

読み終えるころに、「自分の街はちゃんと備えているんだ」という安心と、家庭でできる小さな備えのヒントが見つかれば幸いです。

この記事の監修者

株式会社 林田電気工業

林田竜一

代表取締役

1級電気工事施工管理技士

行橋市で電気工事会社を経営しています。お客様ひとりひとりに丁寧に対応し、電気でつなぐ明るい未来をスローガンに地域に貢献できるように努めています。

弊社は、災害時における電気設備等の機能復旧で支援を行います。

半世紀の歴史!
福岡県行橋市の電気会社
林田電気工業

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台風の多い北部九州で電気の備えが大切な理由

台風や豪雨の多いこの地域では、気象の乱れが、そのまま電気のトラブルにつながることがあります。

だからこそ、この土地では、電気の備えが暮らしの安心につながります。

台風・水害が多い福岡・北九州の気候の特徴

「うちの地域は、災害のリスクってどれくらいあるんだろう」と、気になったことはありませんか。

福岡・北九州をふくむ九州北部は、台風が近づきやすい地域のひとつといわれています。

気象庁の統計を見ても、この地方への台風の接近は、決して珍しいことではありません。

とくに夏から秋にかけては、大きな台風が海の上を進んでくる季節です。

洗濯物を早めに取り込んだり、雨戸を確かめたりと、身構える日も多いのではないでしょうか。

近ごろは、短い時間に一気に降る豪雨も各地で目立ってきました。

川の水かさが増したり、道路が冠水したりと、水害への警戒も欠かせなくなっています。

海に近い地域では、潮風による「塩害」も、電気設備には見のがせない要素です。

【補足】塩害とは、潮風にふくまれる塩分が金属をさびさせ、少しずつ傷めてしまうことです。

警戒したい気象起きやすい時期想定される影響
台風・強風夏から秋飛来物や倒木による被害
集中豪雨・水害梅雨から台風の時期川の氾濫や住宅の浸水
落雷夏を中心に通年電気設備への急な負担
塩害(沿岸部)通年金属部分のさびや傷み

こうして並べてみると、この地域はいくつもの気象と隣り合わせなのだと気づかされます。

とはいえ、過度に怖がる必要はありません。

自分の地域の特徴を知っておくこと大切です。

▶︎参考【気象庁】台風の統計(九州北部地方への台風接近数)

気象が停電や電気トラブルにつながる理由

「台風が来ると、どうして電気が止まるの?」と、素朴に思ったことはありませんか。

強い風や大量の水が、電気を送る設備を傷つけてしまうことが、大きな原因です。

たとえば、強風で飛んできた物や倒れた木が、電線を切ってしまうことがあります。

電線が切れれば、その先の家々へ電気が届かなくなり、停電につながります。

大雨で水があふれると、家庭の分電盤や屋外の設備が水につかることもあります。

【補足】分電盤とは、外から来た電気を家の中の各部屋へ振り分ける、住まいの電気の「交差点」のような装置です。

水にぬれた電気設備は、感電やショートの心配があり、すぐには使えません。

落雷も油断できません。

近くに雷が落ちると、電気の通り道に急な負担がかかり、家電が壊れてしまうこともあります。

沿岸部では、塩害で金属の接続部分が少しずつさびていくことも、トラブルの遠い原因になります。

気象の要因影響を受けやすい場所起こりやすいこと
台風・強風電線や屋外の配線断線による停電
大雨・浸水分電盤や屋外設備水ぬれで使えなくなる
落雷家電や電気設備急な過電流での故障
塩害金属部品や接続部さびによる劣化

気象と電気のトラブルは、こうして深くつながっています。

停電は、じつはとても身近なできごとだとも言えます。

地域の気候を思い浮かべながら備えておくと、いざというときに慌てずにすみます。

▶︎参考【資源エネルギー庁】「台風」と「電力」〜長期停電から考える電力のレジリエンス

停電が長引くと暮らしはどうなる?

「一晩くらいなら、なんとかなりそう」と感じる方もいるかもしれませんね。

ところが停電が数日続くと、暮らしのあちこちに影響が広がっていきます。

夜になれば、明かりがないだけで、気持ちまで心細くなります。

スマホの充電が切れれば、家族との連絡や災害情報の確認もむずかしくなります。

真夏なら冷房が止まり、冷蔵庫の中の食材も心配になってきます。

冬の寒い時期には、暖房が使えないつらさもこたえます。

電気を使う医療機器に頼っているご家庭では、停電が命に関わることもあります。

困る場面具体的な影響あると安心なもの
照明夜間に手もとが見えない明かりの確保
通信・情報スマホの充電が切れる充電できる電源
冷蔵・食事食品が傷みやすい冷蔵を保つ電力
冷暖房暑さ寒さがつらい扇風機や暖房の電源
医療・介護電気を使う機器が止まる予備の電源や相談先

電気は照明だけでなく、情報や食、そして健康までも、静かに支えてくれています。

裏を返せば、電源をひとつ確保できるだけで、停電時の不安はずいぶん和らぐものです。

防災協定とは?行橋市の備えの仕組み

ここからは、地域の備えの中心にある防災協定のお話です。

言葉は少し堅く聞こえますが、中身はとても身近で、暮らしに直結しています。

行橋市がどんなふうに備えを重ねているのか、そのしくみをのぞいてみましょう。

防災協定とは?災害協定との違いも解説

「防災協定と災害協定って、何が違うの?」と、迷う方も多いのではないでしょうか。

呼び方は少しずつ違っても、めざすところは同じです。

防災協定とは、市などの自治体と、企業や団体が、災害のときの協力をあらかじめ決めておく約束のことです。

ご近所同士の「困ったときは助け合おうね」という約束を、市と企業の規模で、正式な文書にしたもの。

そう考えると、少しイメージしやすいかもしれません。

「災害協定」「災害連携協定」と呼ばれることもありますが、根っこにある考え方は共通しています。

災害の直後は、電話がつながりにくかったり、道路が使えなかったりします。

その場で協力先を探すのは、とても大変です。

だからこそ、平時のうちに約束を交わしておくことに、大きな意味があります。

呼び方意味結ぶ相手の例
防災協定災害時の協力を決めておく約束自治体と企業・団体
災害協定防災協定とほぼ同じ意味自治体と企業・団体
災害連携協定特定の役割で連携する約束自治体と企業グループ

呼び名の違いは、あまり気にしなくても大丈夫です。

大切なのは、いざというときに動ける約束が、前もって用意されているかどうかです。

自治体と企業が防災協定を結ぶメリット

「協定があると、住んでいる私たちには、どんな良いことがあるの?」と気になりますよね。

いちばんのメリットは、行政だけでは手が回らない部分を、地域の企業が補ってくれることです。

災害の直後、市の職員は避難所の運営から被害の確認まで、たくさんの仕事を同時に抱えます。

そこへ、電気や物資の専門家が加わることで、復旧の手が一気に増えていきます。

企業にとっても、日ごろ培った技術で地元に貢献できる、大切な機会になります。

住民にとっては、復旧が早まったり、必要な物資が届きやすくなったりと、安心が増えていきます。

立場平時にできること災害時に生きること
自治体地域の計画づくり企業の力で対応を広げる
企業技術や人員の準備得意分野で地域を支える
住民備えを知って安心する早い復旧の恩恵を受ける

こうして見ると、防災協定は誰か一人のためではなく、地域みんなで備えを分け合うしくみなのだと分かります。

「自分の街には、こうした支え合いがあるんだ」と知るだけでも、少し心が軽くなるのではないでしょうか。

行橋市の防災協定と電気の復旧体制

「行橋市は、実際どんな備えをしているの?」というところが、いちばん気になるかもしれません。

行橋市の特徴は、ひとつの協定に頼りきらず、いくつもの備えを重ねている点にあります。

まず、遠く離れた自治体同士で助け合う、広域のネットワークに加わっています。

全国22の市町がつながっていて、近くがまとめて被災しても、遠方から支援を受けられるしくみです。

さらに、地元の企業とも幅広く協定を結んでいます。

大型のホームセンターとは、生活物資や復旧用の資材を届ける協定を交わしています。

放送や通信の会社とは、正確な災害情報を住民へ伝える協定を結んでいます。

そして電気の機能復旧については、行橋市と行橋市電設協議会との協定(令和2年8月21日締結)が交わされています。

この機能復旧の協定の枠組みに、地域の電気事業者も参画しています。

備えの分野連携先の例住民にとっての安心
広域での応援全国にある市町のネットワーク遠方から支援が届く
物資の供給大型のホームセンター各社生活用品が確保される
情報の伝達放送・通信の事業者正確な情報が届く
電気の機能復旧電設協議会と地域の事業者電力の復旧を担う体制

行橋市は、こうして「遠くからの広い支援」と「地元の細やかな力」を組み合わせて備えています。

身近な電気の専門家が復旧を支える体制があることは、心強い支えになってくれることでしょう。

▶︎参考【行橋市】各団体との協定を紹介します LINK

▶︎参考【行橋市】市町村広域災害ネットワーク 災害時相互応援に関する協定

災害時に電気自動車が電源になる仕組み

ここからは、近ごろ話題の災害時の電気自動車についてです。

「車が電源になる」と聞くと少し意外に思うかもしれませんが、行橋市では正式な協定として動いています。

締結の中身や、避難所での使われ方には、知っておくと安心できるポイントがあります。

行橋市と日産のEV災害連携協定とは

「災害のときに電気自動車を使う協定って、どんなもの?」と気になりますよね。

かんたんに言えば、停電したときに、電気自動車を避難所などの電源として役立てる約束です。

行橋市と日産グループの6者は、2021年10月18日にこの「電気自動車を活用した災害連携協定」を結びました。

日産の生産拠点である工場が、となりの苅田町にあることも、この連携を後押ししています。

災害で停電が起きると、販売会社から電気自動車(日産リーフなど)が貸し出され、電力源として使われます。

項目内容
締結日2021年10月18日
当事者行橋市と日産グループ6者
目的平時の環境対策と災害時の電力
災害時の内容電気自動車を避難所などへ貸与

この取り組みが思いつきではなく、正式な文書として交わされた約束であることは、心に留めておきたい点です。

いざというときの電源が地域に用意されていると知ると、ずいぶん心強く感じられます。

▶︎参考【行橋市】各団体との協定を紹介します

▶︎参考【日産自動車九州】行橋市と日産自動車、電気自動車を活用し防災力強化と脱炭素化に向けて連携

日産と組んだ背景|ブルー・スイッチと地元

「どうして日産と行橋市が手を組んだの?」と気になる方もいるかもしれませんね。

背景には、日産の全国的な取り組みと、地元にある大きな工場のつながりがあります。

日産は「ブルー・スイッチ」という活動を進めています。

【補足】ブルー・スイッチとは、電気自動車を通じて、環境や防災などの地域の課題を解決していく日産の取り組みです。

環境や防災、エネルギーの活用など、地域が抱えるさまざまな課題に、電気自動車で向き合っています。

さらに、行橋市のとなりの苅田町には、日産の国内最大級の生産拠点である日産自動車九州があります。

地元に大きな工場があることで、いざというときに電気自動車を動かしやすい強みがあります。

工場見学の受け入れなど、地域とのつながりを大切にしてきた会社でもあります。

背景内容行橋市とのつながり
ブルー・スイッチ電気自動車で地域の課題を解決する日産の活動環境・防災・SDGsの方針と重なる
日産自動車九州となりの苅田町にある国内最大級の生産拠点地元だからすぐに動ける
地域とのつながり工場見学や防災訓練など地域との関わりいざというとき協力しやすい

こうした背景があるからこそ、この協定は「かたちだけ」で終わらず、実際に動く力を持っています。

行橋市の環境・防災の思いと、日産の取り組みが重なって生まれた協定なのですね。

▶︎参考【日産自動車九州】行橋市と日産自動車、電気自動車を活用し防災力強化と脱炭素化に向けて連携

協定の2本柱|平時の脱炭素と災害時の電力

協定の2本柱|平時の脱炭素と災害時の電力

「この協定って、災害のときだけのものなの?」と思う方もいるかもしれませんね。

じつはこの協定には、平時と有事の「2本柱」があります。

ふだんは、電気自動車の普及を通じて、地域の環境対策(脱炭素)を進めています。

行橋市は「ゼロカーボンシティ」を宣言していて、この協定もその歩みの一部です。

行橋市が主催するイベントでは、電気自動車から会場の電気をまかなう実演も行われています。

「走る蓄電池」としての便利さを、市民が実際に目にできる取り組みです。

【補足】脱炭素とは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を、できるだけ出さないようにする取り組みです。

そして災害で停電したときには、日産の販売店などに置かれた電気自動車が、避難所などへ無償で貸し出されます。

貸し出された電気自動車は、そのまま避難所の電力源として活躍します。

場面具体的な取り組み住民への効果
平時電気自動車の普及とイベントでの給電実演環境と防災への関心が高まる
有事電気自動車を避難所へ無償で貸与停電時も避難所で電気が使える

電気自動車は、ふだんは環境に、もしものときは暮らしに役立つ存在です。

ひとつの取り組みが、環境と防災という2つの安心を生んでいるのですね。

▶︎参考【行橋市】「ゼロカーボンシティ 行橋」を宣言しました!

避難所で電気自動車の電気は何に使える?

「電気自動車の電気で、実際に何ができるの?」という疑問は、とても自然なものです。

避難所での照明や、スマホの充電、冷蔵庫や扇風機まで、暮らしに欠かせない電気をまかなえます。

ほかの地域で起きた災害でも、電気自動車からの給電がさまざまな場面で役立ちました。

たとえば公民館では、スマホの充電や扇風機、夜間の照明に使われました。

保育所では扇風機に、高齢者の福祉施設では冷蔵庫や調理器具にも活用されています。

使われた場所電気でまかなえたこと暮らしへの意味
公民館スマホの充電・扇風機・夜間の照明連絡と涼、明かりの確保
保育所扇風機子どもたちの暑さ対策
高齢者福祉施設冷蔵庫・扇風機・調理器具体調管理と食事の支え

どれも、ふだんは当たり前のように使っている電気の使い道です。

大きな水害を受けた現場では、照明や通信のために、長い期間にわたって給電が続けられた記録もあります。

電気自動車は、必要な場所へ動いていける「頼れる電源」です。

万能ではありませんが、備えの選択肢のひとつとして覚えておいてくださると嬉しいです。

▶︎参考【日産自動車九州】行橋市と日産自動車、電気自動車を活用し防災力強化と脱炭素化に向けて連携

電気自動車は災害に弱い?EVの実力と使い方

「電気自動車は災害に弱いって聞くけど、本当?」という声も、よく耳にします。

たしかに弱い面もありますが、じつは頼れる強みも持っています。

電気自動車は家庭の何日分の電気になる?

満充電の電気自動車は、家庭用の蓄電池よりも、多くの電気をためておけるといわれています。

【補足】蓄電池とは、電気をためておく装置のことです。家庭用のものが少しずつ広まっています。

電気自動車の容量は、一般的な家庭用蓄電池の数倍にあたる規模とされています。

使う量をおさえながら上手に使えば、家庭のおおよそ数日分の電気をまかなえることもあります。

もちろん、これはあくまで目安です。

エアコンのように電気を多く使う家電を動かせば、その分だけ持ちは短くなります。

比べる対象ためられる電気の目安まかなえる期間の目安
電気自動車大きめ数日程度(節約しながら)
家庭用蓄電池小さめ〜中くらい一日前後(機種による)

数字は使い方や車種で変わります。

それでも、もしものときの大きな電源になりうるという点は、心に留めておきたいところです。

「電気自動車は災害に弱い」の本当のところ

「弱い」という言葉が引っかかって、なかなか一歩を踏み出せない方もいるかもしれませんね。

電気自動車には弱点もありますが、備え方しだいで、頼れる電源にもなります。

「弱い」といわれる主な理由は、充電できないと動かせないことや、水没への心配です。

一方で、満充電であれば大容量の電源になり、家電を長く動かせるという強みもあります。

よく聞く懸念実際のところできる備え
充電できないと困る満充電なら大きな電源になる日ごろから充電を意識する
水没が心配浸水した車は使わないのが原則高い場所に駐車する
使い方が難しそう専用機器で家庭でも使える事前に仕組みを知っておく

大切なのは、弱点を隠さずに知ったうえで付き合うことです。

日ごろから充電を意識し、浸水しにくい場所に駐車しておく。

そんな小さな工夫で、弱点はずいぶんカバーできます。

正しく理解すれば、電気自動車は災害時の心強い味方にもなってくれます。

自宅の電気自動車を非常用電源にする方法

「自宅で電気自動車の電気を使うには、どうすればいいの?」という疑問が浮かびますよね。

専用の機器を使えば、家庭でも電気自動車を電源にできます。

いちばん手軽なのは、車についているコンセントを使う方法です。

多くの電気自動車には車内にコンセントが備わっていて、特別な工事なしでも家電を使えることがあります。

もっと本格的に、家全体で使いたいときは、専用の機器を取り付ける方法があります。

主な方法は2つあり、それぞれ役割が異なります。

方法できること主な確認事項
車のコンセント手軽に家電を使える対応する車かどうか
V2H車と家で電気をやり取りする電力会社への申請と工事
外部給電器好きな場所で電気を使う対応する機器かどうか

どれが正解ということはなく、暮らし方に合わせて選べます。

安全に使うために、確認しておきたいポイントもいくつかあります。

V2H・外部給電器とは?仕組みがわかる

V2Hと外部給電器は、どちらも電気自動車にためた電気を、家庭で使うための仕組みです。

まずV2Hとは、電気自動車と家を専用の機器でつなぎ、車から家へ、家から車へと電気をやり取りする設備です。

【補足】「双方向」とは、車から家、家から車の両方に電気を流せることをいいます。

家の配線に直接つなぐので、停電のときは、家じゅうの電気をまとめてまかなえます。

V2Hは、エアコンや冷蔵庫まで、いつもどおりに使いたいときに向いています。

いっぽう外部給電器(V2L)とは、車から電気を取り出して、家電に直接つなぐ持ち運びできる機器です。

工事をせずに使えて、コンセントのない場所へも運べます。

外部給電器は、避難所や屋外など、電気がほしい場所へ運びたいときに便利です。

機器仕組み向いている使い方
V2H車と家をつなぎ電気を行き来させる自宅でしっかり使いたい時
外部給電器車から電気を取り出して使う好きな場所で使いたい時

どちらが良い・悪いではなく、目的に合わせて選べるのがうれしいところです。

自宅中心か、持ち運び重視か。

暮らし方を思い浮かべながら考えると、選びやすくなります。

消防法改正で変わった蓄電池の設置ルール

「大きな電気の設備って、置くのが大変そう」というイメージはありませんか。

じつは2024年1月の消防法改正で、蓄電池は家庭にぐっと導入しやすくなりました。

大容量の蓄電池を安全に扱うための基準が、時代に合わせて見直されたのです。

これまで専門的で分かりにくかった規制の単位が、電気の量を表す「kWh」に整理されました。

【補足】kWhとは、電気の量を表す単位です。使う電気の「量」を示すものと考えてください。

家庭で使う範囲の設備なら、以前より手続きが軽くなり、置き場所の自由度も広がりました。

項目改正前改正後
規制の単位分かりにくい専門単位電気の量(kWh)で分かりやすく
規制の対象比較的小さい容量からより大きい容量から
屋外の設置箱型に限る決まり条件を満たせば柔軟に

安全性はしっかり保ちながら、導入のハードルは下がりました。

これから備えを考える方にとっては、うれしい追い風です。

最新の基準にくわしい専門家に相談すれば、安心して検討を進められます。

▶︎参考【総務省消防庁】蓄電池設備の規制の見直しについて(令和5年消防庁告示第7号・令和6年1月施行)

蓄電池の補助金や申請など導入前の確認ポイント

「導入するとき、何を確認しておけばいいの?」と気になりますよね。

大きくは、補助制度・電力会社への申請・資格を持つ人による工事の3つがポイントです。

まず、国や自治体には、導入の負担を軽くする補助制度が用意されている場合があります。

金額や条件は年度や自治体で変わりますので、くわしくはお住まいの自治体へご確認ください。

次に、電気自動車と住まいをつなぐ設置では、電力会社への「系統連系」という申請が必要です。

【補足】系統連系とは、家庭の電気設備を、電力会社の電線網につなぐための手続きのことです。

家庭側の電気が電線網へ流れ込むと影響が出るため、事前の確認と承認が求められます。

そして、こうした工事は、資格を持つ専門家による施工が法律で定められています。

高い電圧をあつかうため、安全のためにも欠かせない決まりです。

確認項目内容・ポイント
補助制度自治体や国の制度の有無を確認
電力会社への申請系統連系の手続きが必要
必要な資格有資格者による工事が必要
設置場所浸水しにくい場所を選ぶ

手続きは少し多く感じるかもしれません。

でも、専門家に相談すれば、ひとつずつ着実に進められます。

制度を上手に活かしながら、無理のない備えをめざしましょう。

▶︎参考【行橋市】次世代自動車等導入補助金

▶︎参考【九州電力送配電】系統連系(ご契約の流れ)

停電の不安を安心に変える地域の備え方

ここまで、地域の気候のこと、行政と企業が重ねる備え、電気自動車という新しい電源、そして家庭でできる備えの工夫を見てきました。

大切なのは、災害をこわがることではなく、備えと相談先を知っておくことなのだと思います。

行橋市には、遠くの自治体と助け合う広域のしくみも、地元企業と結ぶ細やかな協定もあります。

電気の機能復旧を担う協定の枠組みには、地域の電気の専門家もかかわっています。

そうした支え合いの上に、私たちの暮らしの安心は成り立っています。

ステップ具体的なアクション
知る地域の気候と備えを知る
備える家庭でできる電源の備えを考える
相談する地域の専門家に気軽に尋ねる

こうした地域の相談先のひとつが、株式会社林田電気工業です。

行橋市で電気工事を手がけ、地域の機能復旧協定の枠組みにもかかわる、地元の電気の専門会社です。

「うちの場合はどうだろう」と迷ったときは、点検や診断のご相談から始めていただけます。

お見積もり・ご相談は無料で承っています。

災害が起きないのが、いちばんです。

それでも、備えと相談できる相手があれば、「もしも」への不安は、少しずつ和らいでいくのではないでしょうか。

半世紀の歴史!
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