LED照明は省エネの観点から一般住宅からオフィス、工場、店舗などでも広く浸透してきました。
LED化とは、既存の照明器具をLED照明に変えることです。
省エネ対策としてメディアで話題になることもありますね。
この記事では、LED化が急速に進んでいく背景を説明しながら、LED化工事について詳しく解説します。
LED化について知ることで省エネや電気代節約のお手伝いになれば嬉しいです!
株式会社 林田電気工業
林田竜一
代表取締役
行橋市で電気工事会社を経営しています。お客様ひとりひとりに丁寧に対応し、電気でつなぐ明るい未来をスローガンに地域に貢献できるように努めています。
半世紀の歴史!
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LED化は、既存照明器具を省エネ型のLED照明に置き換えることにより、エネルギー消費を減らす省エネ対策の一つです。
照明は、空調設備の次に多くエネルギーを使用する設備です。
建物全体のエネルギー消費の約20から40%を照明が占めていると言われています。
建物内の照明を全てLEDに変更することで、エネルギー消費量を大きく減らすことが可能と言われています。
LED照明とは
LEDとはLight Emitting Diode の略で、日本では発光ダイオードとも呼ばれています。
光る半導体とも呼ばれています。
LED照明は、消費電力が少なく、寿命が長く、反応速度が速いなどの特徴を持つ半導体技術を活用しています。
1950年代から赤、橙、黄緑色のLEDは一般に使用されてきましたが、これらは主に表示灯としての用途に限られており、白色光を出すことができなかったため照明には適していませんでした。
しかし1993年に明るい青色LEDが開発され、1996年には黄色の蛍光体を組み合わせて白光を実現するLEDが完成しました。
これによりLEDは照明用としても広く使われるようになり、従来の照明器具を超える速度で普及が進みました。
特に2011年の東日本大震災後は、電力供給の不安定さが節電への意識を高め、特に電力を多く消費する照明の分野で省エネへの注目が集まりました。
省エネ効果が高いLED照明は、家庭用の電球形LEDランプから施設照明、屋外照明に至るまで、幅広い用途での需要が急速に拡大しています。
LED照明のメリット
- 省エネ効果が高い: LED照明は白熱電球に比べて約1/8の電力で同等の明るさを実現します。
- 長寿命: LED電球の寿命は約40,000時間で、白熱電球の約20倍の長さです。
- 紫外線や赤外線をほとんど含まない: 人体への悪影響が少なく、商品の日焼けや虫の寄り付きを減らせます。
- 環境に優しい: 低エネルギー消費と長寿命により、廃棄物の量を減らすことができます。
- 即時点灯: 電源を入れた瞬間に最大の明るさで点灯します。
- 色温度の選択肢が豊富: 温かみのある光から、日光に近い自然な光まで、使用場所に応じた色温度を選べます。
LED照明のデメリット
- 初期コストが高い: 白熱電球や蛍光灯に比べて、LED照明器具の価格は高めです。
- 明るさの表示がわかりにくい: 明るさがルーメンで表示されるため、従来のワット数での表示に慣れている人には直感的に理解しにくいことがあります。
- 品質にばらつきがある: 安価な製品の中には、明るさや色の均一性が不足しているものがあります。
- 熱管理が必要: 高出力のLED照明は適切な熱管理が必要で、不十分な場合寿命が短くなることがあります。
- 調光機能の互換性: すべてのLEDが調光可能ではなく、調光機能を使用する場合は互換性のある調光器が必要です。
LED化が進む背景とは
既存のビルや工場、商業施設、住宅などにおけるLED照明への切り替え、いわゆる「LED化」が進んでいます。
この取り組みは、企業が持つ建物にも広がっており、省エネ効果を目的とした重要な施策となっています。
LED照明にすることで、従来の蛍光灯と比べて電気の消費量を約50%削減できると言われています。
これは、ビルや工場などの建物の維持コストを大きく下げることができるため、昨今の社会情勢を鑑みると非常に魅力的と考える企業も増えているようです。
さらに、最近では「ESG」という考え方が重視されています。
これは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)への取り組みを意味し、LED化は環境への配慮として高く評価されています。
企業がESGへの対応を進めることは、環境保護に貢献するだけでなく、ESGに基づいた投資を受けやすくなるなどのメリットもあります。
このような背景から、企業が持つ不動産のLED化は、省エネはもちろんのこと、環境への責任を果たすという観点からも今後さらに推進されると考えられます。
蛍光灯の2027年問題
「水銀に関する水俣条約」により、2027年末には蛍光灯の製造及び輸出入が禁止されることになりました。
これに伴い、蛍光灯の価格が上昇し、入手が難しくなることが予想されます。
また、LED照明に使われる樹脂や鋼材などの原材料費の上昇も予測されているため、LED照明の価格も上がることが見込まると言われています。
このような理由からLED照明の初期導入コストが上がる前、またLED照明が品不足になる可能性も考慮して、早めのLED化対策を行うことをおすすめしています。
LED化には工事が不要な場合もあります。
卓上の小型スタンドや天井へ引っ掛けるタイプのシーリングローゼット、白熱電球の照明機器である場合は工事が不要なことが多いです。
卓上スタンドや白熱電球
同じ形状のLED照明タイプを従来品と同じように交換することでLED化することが可能です。
機器とLED照明の接続可電気設備その形状が同じものを選ぶように注意しましょう。
シーリングローゼット
シーリングローゼットとは照明器具を天井に取り付けるための電源ソケットとプラグのことです。
既存照明がシーリングローゼットを使って天井についている場合は、既存の蛍光灯を取り外してLED照明をそのまま取り付けるだけで交換することが可能です。
ご自分で天井の照明をLED化する場合には、天井やシーリンローゼットの形状を十分に確認して行うようにしましょう。
シーリングローゼットや天井の形状によっては、新しいLED照明を取り付けられないケースもあります。
取り付ける際に障害になるものはないか、天井の凹凸はないかを確認して行うようにしましょう。
安定器が既存の蛍光灯器具についている場合のLED化には、電気配線をLEDに適合させるためのバイパス工事が必要となります。
特にオフィスやリビングなどに使われている直管型の蛍光灯に安定器は多く見られます。
安定器とは蛍光灯や水銀ランプなどの放電灯の放電を安定させるために用いられています。
バイパス工事を行わずにLEDを使用すると安定器に電流が流れてしまいます。
そのため、安定器自体が劣化してしまう危険性を伴います。
安定器が劣化すると照明がつかなかったり、余分な電力を消費してしまうことになる場合もあります。
そのため、せっかくLED化をしても十分な節電効果を得られない場合があるのです。
安定器がとりつけられている場合にはバイパス工事が必要になります。
わかりづらい場合は、専門の業者に相談することをおすすめします。
バイパス工事は配線のし直しを行う必要がある工事です。
配線工事には電気工事士の資格が必要になります。
自分でできる!と思っても電気は目には見えませんがとても危険です。
誤った配線や取り付けが漏電や火災の原因となることもあります。
必ず専門の業者に依頼してください。
既存建物のLED化工事を行うメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
ここではビルやオフィスなどの企業向けにLED化のメリットをご案内します。
LED化で電気代を削減できる
経済産業省・資源エネルギー庁にによると、業務他部門でのエネルギー消費は動力・照明、冷房、給湯、暖房、調理の5つの主要な用途に分けられます。
特に、動力と照明に関するエネルギー消費が増加しており、全体のエネルギー消費の約43%を占めています。
これは、照明をLEDに変えることで大きく電気使用量を減らし、電気代の節約が見込めることを意味します。
また、LED照明は、効率が高く、白熱電球に比べて約6倍、蛍光灯に比べても約1.3倍の光を発します。
さらに、LED電球の使用寿命は、白熱電球の約40倍、蛍光灯の4倍から40倍にも及び、約40,000時間と非常に長持ちします。
そのため、建物の照明をLEDに切り替えれば、電気代の節約はもちろん、頻繁な電球の交換が不要になり、メンテナンスコストの削減にも繋がります。
LED化で環境へ配慮できる
LED化により企業の利益向上だけでなく、環境への配慮へもつなげることができます。
LED化による省エネ化によって、エネルギー効率の向上を通じてCO2排出を大幅に削減できるからです。
例えば、白熱電球をLEDに置き換えることで、CO2排出量を約60%減らすことが可能とされています。
LED化は自社のランニングコスト削減だけでなく環境保護の手助けもできる手段とも言えるでしょう。
LED化でランニングコストの削減ができる
LED照明は、蛍光灯や白熱電球と比べて寿命が非常に長く、交換やメンテナンスの必要が少ないという利点があります。
特徴 | 蛍光灯 | 白熱電球 | LED |
---|---|---|---|
寿命 | 6,000~12,000時間 | 1,000~2,000時間 | 40,000~50,000時間 |
点灯時間の目安 | 1日8時間で約2~4年 | 1日8時間で約125~250日 | 1日8時間で約13~17年 |
LEDと蛍光灯・白熱電球を比べると寿命に大きな違いがあることがわかります。
蛍光灯や白熱電球の交換コストが年間約300〜1,000円かかります。
しかしLEDは長寿命なためメンテナンスや交換の手間とコストが大幅に削減できます。
LED化工事などの初期導入費用がかかることや、LED自体の単価が高めなことを考慮しても、交換やメンテナンスにおける手間の削減は大きなメリットと考えられます。
LED化で球切れや急な機器交換リスクに対応できる
既存建物のLED化を行うことで、電球の球切れや急な機器交換リスクに対応することができます。
2020年までには、蛍光灯と水銀灯の製造が終了し、これらの製品の在庫がなくなり次第、新たな交換品が手に入りにくくなります。
蛍光灯の使用を減らすための国際条約や、LEDや有機EL照明などの次世代照明への移行を促進する政府の方針によるものです。
政府は、2030年までに次世代照明の国内設置率を100%にする目標を設定しています。
2017年 | 蛍光灯器具 生産中止 | 東芝ライテックが生産中止を発表 |
2018年 | 蛍光灯器具 生産中止 | 日立製作所と岩崎電気が生産中止を発表 |
2019年 | 蛍光灯器具と蛍光灯 生産中止 | 三菱電機とパナソニックが生産中止を発表。日立製作所、岩崎電気も生産中止 |
2020年 | 蛍光灯 生産中止、水銀灯 生産中止 | 東芝ライテックが一部製品の生産中止。水俣条約により水銀灯の生産が中止。 パナソニックは生産終了時期未定 |
政府は、次世代照明への移行を推進しており、2020年までにLED照明および有機EL照明の器具出荷比率を100%にすること、そして2030年には次世代照明の国内設置比率を100%にすることを目標としています。
これらの動きは、環境保護とエネルギー効率の向上を目指すものです。
今後、蛍光灯や水銀灯を使用している既存建物は急速なLED化を行う必要があると言われています。
LED照明への切り替えは、省エネと長寿命のメリットを享受できるだけでなく、照明環境の質の向上にも繋がります。
LED照明の中にはそのまま付け替えても使えると表記されているものの、付けてみると不具合を起こすものもあります。
信頼できる専門業者に相談しつつ進めることがおすすめです。
アフターメンテナンスや保証がある業者
LED化工事後も長期間にわたり安心して使用するためには、アフターメンテナンスや保証を提供する業者を選ぶことが大切です。
特に照明は日常で欠かせない電気設備の一つ。
工事後に急につかなくなったり不具合が生じた場合に対応してくれるかどうかを確認してみてください。
地元で長く電気工事を営んでいる業者
地元で長年事業を営んでいる業者は、その地域の建築様式や電気設備の特性を熟知していることが多いです。
また、地元の顧客との長期的な信頼関係を築いていることから、安心して工事を依頼できます。
急な不具合にも地元であれば、可能な範囲で早く対応してくれる場合が多いです。
電気工事士などの有資格者が工事を行う業者
LED化工事は、安全性を確保するために専門的な知識と技術が必要です。
配線などの電気を行う工事は法律によって有資格者が行うことが定められています。
工事を行うスタッフが電気工事士などの有資格者であることを確認することで、工事の品質と安全性が保証されます。
親身に相談に乗ってくれる業者
LED化工事は一度きりの投資ではなく、長期的なビジョンを持って計画するものです。
ニーズに最適な提案をしてくれる、親身に相談に乗ってくれる業者を選ぶことが重要です。
顧客の立場に立った提案ができる業者であれば、無駄なコストを省きつつ最適な解決策を見つけることができるでしょう。
いかがでしたか?
既存の建物のLED化は、その省エネ効果や長寿命性により、個人の住宅はもちろん、オフィスや公共施設などさまざまな場所で注目されています。
LED化は電気料金の削減だけでなく、CO2排出量の減少にも寄与し、企業のESG(環境・社会・ガバナンス)戦略の一環としても非常に有効です。
また、蛍光灯や水銀灯などの製造終了に伴い、LED照明への切り替えはもはや選択肢ではなく必須の対応となりつつあります。
LED照明設備は初期投資がかかりますが、その分長寿命で長く使うことができます。
そのため、最初の器具選びが大切になります。
LED化は電気工事士の有資格者が行う必要があります。
また、専門の業者に相談することで最適なLED照明機器を導入する一歩となることでしょう。
環境にもコストにも優しいLED化、安全安心に進めたいものですね。
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