LAN配線工事の基礎知識|勘定科目や耐用年数も詳しく解説

テレワークやWEB会議の需要が増加してきた昨今、LANという言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?

LANはインターネットをオフィスや住宅などでより快適で安心に使うために不可欠です。

有線LANや無線LAN、Wi-Fiなどインターネット環境の整備を行う際には専門用語も多いため難しいと思われている方も多いようです。

この記事ではLAN配線工事についてよく使われる周辺機器や用語も併せて詳しく解説します。

今や生活に不可欠となったインターネット。

ネットワーク環境について理解を深めることでより安心安全に利用することができるお手伝いになりますように。

この記事の監修者

株式会社 林田電気工業

林田竜一

代表取締役

1級電気工事施工管理技士

行橋市で電気工事会社を経営しています。お客様ひとりひとりに丁寧に対応し、電気でつなぐ明るい未来をスローガンに地域に貢献できるように努めています。

半世紀の歴史!
福岡県行橋市の電気会社
林田電気工業

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LAN配線

自宅でもオフィスでも有線LANでインターネット環境をスムーズにしたい!そう思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?

部屋にWi-Fiが届かない!有線LANの方がサクサクインターネットが動くと聞いたことがきっかけでご自宅のLAN工事を検討される方も少なくありません。

また、オフィスではさらにセキュリティや作業効率向上のために社内のネットワーク環境の整備を検討される企業も多いです。

インターネット環境を整備する上で必要不可欠なのがLAN配線工事です。

特にオフィスのLAN配線はレイアウトや接続機器、動線を考慮した計画が必要となります。

LAN配線とは

LANとはLocalAreaNetworkの略です。

オフィス内や工場内の施設や敷地内、また住宅内で構築されるネットワークのことです。

特定のエリア(施設・敷地・住宅内)のネットワークとしてLANを構築します。

LANを利用してインターネットに接続するための配線を「LAN配線」と呼びます。

LAN配線には有線LANと無線LANがあります。それぞれに通信品質や利便性、セキュリティ面にメリット・デメリットがあります。

有線LAN

通信ケーブルを利用して、ネットワーク機器や各種デバイスを接続して構築します。

多くの場合はLANケーブルと呼ばれる通信ケーブルを使います。

配管ないや壁面に通信ケーブルを通して、複数のフロアや部屋、施設をまたいだLANネットワークの構築も可能です。

ケーブルの接続が必要なため、構築が難しいケースや範囲が限定されるなどの不便な面もあります。

しかし、セキュリティや通信速度の速さや品質を重視したい場合にはおすすめのLANネットワークです。

メリット

  1. 通信速度が早い:有線接続は高速でデータを転送できるため、インターネットの速度が速くなります。
  2. 安定している:有線接続は無線接続に比べて信号の乱れが少なく、より安定した接続が可能です。
  3. セキュリティに強い:物理的な接続が必要なため、無線接続よりも外部からのアクセスが難しくセキュリティが向上します。

デメリット

  1. インターネット接続にはLANケーブルが必要:デバイスをネットワークに接続するためには、物理的なケーブルが必須です。
  2. 配線が絡まるなど見た目がスッキリしない:ケーブルを使用するため、配線が目に見えてしまい、部屋の見た目が乱れがちです。
  3. 複数の部屋で使う場合、各部屋にLAN配線の工事が必要:家全体で有線インターネットを利用する場合、各部屋にケーブルを引く必要があります。
  4. スマートフォンやタブレットは接続できない:これらのデバイスは通常、無線接続を利用するため、有線接続では直接インターネットにアクセスできません。

無線LAN

無線LANルーターを使って、パソコンやタブレットスマートフォンなどの通信機器をインターネットに接続するネットワーク構築方法です。

無線LANルーターにはWi-Fiルーターがあります。

無線LANルーター(Wi-Fiルーター)を基地局として無線通信によって各デバイスを接続する構内ネットワークのことを指します。

ケーブル配線を必要としないため、スマートフォンやタブレット端末を用いることがメインとされる住宅に採用されることが多いネットワーク構築です。

また、レイアウトを柔軟に変更したい場合にも無線LANがおすすめです。

メリット

  1. どこでも利用可能:通信圏内ならどこでもインターネットが利用できます。
  2. ケーブル配線が不要:物理的なケーブルを必要としないため、設置が簡単で見た目もスッキリします。
  3. 移設や増設がしやすい:ネットワークの移設や増設がケーブルを引かずに行えるため、手軽に変更が可能です。

デメリット

  1. 通信環境が悪いと接続が不安定になる:通信環境が悪い場合、接続が不安定になりやすくなります。
  2. 有線LANと比べ、通信速度が劣る:無線接続は有線接続に比べて通信速度が劣ることがあります。
  3. 不正アクセスなど、セキュリティ面に不安がある:無線接続は不正アクセスに対して弱い一面があります。セキュリティ面での懸念が大きいとされています。

 

LAN配線の周辺機器

LAN配線の周辺機器には様々な専門的なものがあります。

よく聞く名前だけどいまいちわからない・・・そんな方も多いのではないでしょうか?

ここではLAN配線工事の際によく名前が上がる周辺機器について簡単に説明します。

ハブ

LANハブとは複数の有線LANケーブルを接続できる収束装置のことです。

インターネットに繋げたいパソコンやプリンターなどの接続機器を増やす役割も担っています。

同じネットワーク内の通信を行うために用いられます。

注意すべき点は、LANハブにはルーター機能がないことです。

そのためインターネットに接続する装置であるモデムに直接繋げても、インターネットに繋げることはできません。

ルーター

LANハブとよく混同されるのがルーターです。

ケーブルの差し込み口の並び方や見た目が似ているため、違いがわかりにくいためです。

しかしハブとは通信の範囲が異なります。

ルーターは異なるネットワーク通信を行う機器で、端末をインターネットに繋げるために用いられます。

インターネット上の住所であるIPアドレスはルーターによって振り分けられています。

LANボード

別名ネットワークカードとも呼ばれています。

パソコンにLANケーブルを差し込む部品のことを指します。

有線でパソコンを使う際にひ必要な部品の一つです。

サーバー

LANネットワーク内のサーバーとは、ネットワーク上の他のコンピュータやハードウェアへのアクセス、プリンタ、電子メールなどの様々な共有情報やファイルやフォルダなどを提供するための保管場所となる強力なコンピューターもしくはデバイスのことです。

ネットワーク内のデータの蓄積や処理を行う、常時稼働している優れたコンピューターと言える装置です。

LAN設備の勘定科目と耐用年数

LAN設備は基本的に総額が10万円以上になると固定資産として計上され減価償却することが可能となります。

しかし、レンタルサーバーやクラウドは経費として計上されることが多いようです。

個々の減価償却資産耐用
年数
「種類」「構造又は用途」「細目」
サーバー6年「器具及び備品」「事務機器及び通信機器」「電子計算機」
ネットワークオペレーションシステム、アプリケーションソフト5年「無形減価償却資産」「ソフトウエア」「その他のもの」
ハブ、ルーター、リピーター、LANボード10年「器具及び備品」「事務機器及び通信機器」「電話設備その他の通信機器」「その他のもの」
端末機6年「器具及び備品」「事務機器及び通信機器」「電子計算機」
プリンター5年「器具及び備品」「事務機器及び通信機器」「その他の事務機器」
ツイストペアケーブル、同軸ケーブル18年「建物附属設備」「前掲のもの以外のもの及び前掲の区分によらないもの」「主として金属製のもの」
光ケーブル10年「建物附属設備」「前掲のもの以外のもの及び前掲の区分によらないもの」「その他のもの」

参考|国税庁 LAN設備の耐用年数の取り扱いに関する質疑応答

勘定科目や減価償却の詳しい内容については、税務署や税理士さんに相談されるとより安心です。

LAN工事とは

LAN工事とは施設や住宅などの一定のエリア内でネットワーク機器の設置や設定、通信ケーブルの配置を行い有線もしくは無線のLANネットワークを構築する工事のことを指します。

パソコンやサーバー、プリンターや複合機、スマホやタブレットなどをLANケーブルやWi-Fiを利用して相互接続可能な環境を整える工事のことです。

ネットワーク構築専門の事業者が配線やコンセント設備などの工事を行うケースがあります。

また、通信事業者がサービスの一環としてLAN構築を行う場合もあります。

電気配線を伴う工事には必ず電気工事士の有資格者による工事が必要になるので注意が必要です。

配線作業は「電気工事士」の資格が必要です。

これは電気工事士法第3条第1項及び第2項に規定されています。

違反した場合、3ヶ月以下の懲役または3万円以下の罰金が課せられます。

一般家庭には100〜200Vの電流が流れています。

電流は取り扱いによっては感電や火事などの命に関わる危険性があります。

知識がないまま配線に触れるのは大変危険です。

そのため法律で専門の資格を持った電気工事士が行うことが定められています。

参考情報|経済産業省 電気工事士法(昭和35年8月1日法律第139号)の逐条解説 (令和5年11月版)

https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/law/files/koujisichikujyou.pdf

参考情報|電気工事士法(昭和三十五年法律第百三十九号)第14条  

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000139

LAN配線工事は主に有線LANのネットワーク構築の際に行われます。

工事の前に空配管を確認しよう

LAN配線工事の前に空配管があるかどうかを確認することをおすすめします。

空配管はCD管とも呼ばれ、線が入っていない状態または使用されていない状態の配管全般のことを指します。

後から追加でLANケーブルを通すためにあらかじめ設置している配管とも言えます。

図面や目視で見分けることが可能です。

見分けがつかない場合はLAN配線工事をお願いする業者に電気図を確認してもらうと良いでしょう。

LAN配線工事

LAN配線工事とは主に有線LAN工事の配線工事を指すことが多いです。

通信ケーブルでネットワーク機器を各種デバイスを接続し、必要に応じて配管内や壁面にも通信ケーブルを通す作業を行います。

有線LAN配線工事は壁に新たな穴を開けたり配管を敷設したりと専門的な作業が必要になることもあります。

また、接続したいデバイスの位置関係や既存のネットワーク構成によっても工事内容が異なってきます。

専門の業者に相談しながら、しっかりとした工事計画をもとに進めると安心です。

無線LANの配線工事

無線LAN工事はWi-Fi機器を利用して電波でネットワーク機器同士を接続して、ネットワークを構築する工事です。

主にネットワーク機器の設置や設定、Wi-Fi機器周りの通信ケーブルの配線などを行います。

無線工事LAN工事でも、Wi-Fi機器とルーターをLANケーブルを接続する必要があります。

そのためLAN配線工事は必要になります。

オフィスや工場などの使用端末が多い場所では無線接続のため、ルーターをアクセスポイントが複数使用される場合もあります。

アクセスポイントはLANケーブルとルーターで接続され、電波の送受信がしやすい箇所に設置されることが一般的です。

LAN配線工事の流れ

LAN配線工事は計画的に行うことをおすすめします。

接続デバイスの台数や有線無線の使い分けを明確にしておくことをおすすめします。

また、無線LANを取り入れたネットワーク構築を視野に入れる場合は導入するWi-Fi機器の機能や性能をしっかりと確認すると良いでしょう。

高性能のWi-Fi機器であれば最大同時接続台数が増えたり、セキュリティも従来よりも強化されているものもあります。

LAN配線工事後の使いやすさを想定した計画を立てることで、より安心で快適なネットワーク環境を得るきっかけとなります。

配線レイアウト

業者と打ち合わせる際には接続機器の台数の把握とレイアウトを決めておくことをお勧めします。

ルーターやサーバー、複合機などの配置は事前に候補を決めておくと良いでしょう。

またLAN配線工事のタイミングですべての部屋に工事を行うことを検討することもおすすめです。

追加でLAN配線工事を行うよりも手間と費用が抑えられるケースもあるからです。

実際に使う上での意見を聞きながら、設置するパソコンの台数やルーターなどのレイアウトを大まかに決めておくことでスムーズに計画を進めることが可能となります。

現地調査と契約

LAN配線工事のを依頼する業者が決まったら、現地調査を行い正確な見積もりを出してもらうと良いでしょう。

予め話し合っておいたレイアウトの通りに計画を進めることができるのか、より良いレイアウト案はないのか。

入念な確認と打ち合わせを行うことをおすすめします。

施工

契約を締結したら計画通りに工事が行われます。

オフィスや工場の場合は業務に支障が少ないように計画すること大切です。

一般的な工期は数日〜1週間と言われています。

しかし、ネットワーク構築には予期せぬトラブルもつきものです。

トラブルを想定した余裕のあるスケジュールで進めましょう。

工事中に施工を追加して欲しい箇所ができた場合は対応可能か業者に相談してみても良いですね。

LAN配線工事業者の選び方

LAN配線工事は専門の業者に依頼することをおすすめします。

電気が通るケーブルを触る必要もあるため、知識がない状態での工事は感電などの事故につながる可能性もあり大変危険です。

さらに、前述の通り電気配線が関係するコンセント工事などの必要性が生じた場合には電気工事士の資格が必須となります。

実績と技術

公開されている施工実績やインターネットの口コミをチェックすることをおすすめします。

オフィスの規模に近い案件の実績が豊富だとより安心です。

ネットワークはいつどんなエラーが生じるかわかりません。

地元のの信頼できる実績と技術を持った業者にお願いすることがおすすめです。

効率的な提案

LAN配線工事は今後の拡張や構成の変更も視野にいれて計画し行うことが大切です。

先を見据えた提案内容や説明も行ってくれる業者だとより安心ですね。

また、レイアウトや要望に対して専門家からのより細やかで効率的な提案をしてくれる業者も安心できる業者と言えるでしょう。

見積もりや質問に対して細かな点も答えてくれるかどうかも大切なポイントです。

ネットワークは専門的な知識も多く、わからないことはそのままにせず聞き、納得した上で進めると安心です。

アフターサービス

ネットワークがトラブルを起こすと業務が止まるなどの被害が出てしまう場合もあります。

トラブル時にも対応してもらえるのか、アフターサービスについても確認しておくことをおすすめします。

特にオフィスや工場のLAN設備はわずかな接続や設定のミスで不具合を起こしやすい傾向もあります。

迅速に対応してくれるアフターフォローサービスを提供していくれる業者を選ぶと、万が一の時にも安心です。また将来的にネットワークを増設したり変更したいする際にも相談に乗ってもらいやすくなります。

LAN配線工事のまとめ

いかがでしたか?

LAN配線工事は有線LANネットワークにも無線LANネットワークにも不可欠な工事です。

LANネットワークの構築は暮らしを快適に楽しくしたり、オフィスや工場においては業務効率化も図れる大切な工事の一つです。

専門的な用語や内容も多いですが、インターネットをより快適に使うためにも。

また、LANネットワークを構築して端末を有効的に便利に使うためにも、信頼できる業者を見つけて相談しながら進めていけたら良いですね。

半世紀の歴史!
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