床暖房の電気工事で変わる快適と安心|安全設計で叶える冬のあたたかさ

冬の朝、リビングに素足で降りた瞬間、じんわりと足裏から温かさが広がる。 家族みんなが素足のまま気持ちよく朝の支度ができて、バタバタしがちな時間にも少しゆとりが生まれる。 在宅ワークの日も、足元の冷えを気にせず集中できて、夕方まで快適に過ごせる暮らし。

「床暖房を入れたら、こんな冬になるのかな」 そう想像すると、少しわくわくしませんか。

ただ同時に「電気工事が必要って聞いたけど、うちの家で本当にできるの?」「費用や安全性、工事の流れが分からなくて不安」と感じている方も多いかもしれません。 大きな買い物だからこそ、失敗したくない。 家族が安全に、快適に過ごせる選択をしたい。 その気持ち、とてもよく分かります。

この記事では、床暖房(電気式)の仕組みから、なぜ電気工事が必要なのか、どんな床材が合うのか、実際の工事の流れまでを、やさしく丁寧にご説明します。 「わが家でも、あの温かい朝が実現できるかもしれない」と、前向きな気持ちで床暖房をちょっと考えるきっかけになってくださったら嬉しいです。

この記事の監修者

株式会社 林田電気工業

林田竜一

代表取締役

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床暖房は床が温かくなるとはわかるけど、部屋全体は暖かくなるの? そんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。 どうして部屋全体が暖かくなるのか不思議。 そう思われている方も多いようです。

床暖房には大きく分けて「電気式」と「温水式」の2つの方式があります。 電気式は床下に敷いた電気ヒーターで直接温める仕組みで、温水式はボイラーなどで温めたお湯を床下のパイプに循環させて暖めます。 どちらも床面全体から熱が伝わるので、エアコンやストーブのように「風で暖める」のではなく、じんわりと足元から部屋全体を包み込むような暖かさが生まれます。

この記事では、電気工事が深く関わる「電気式床暖房」を中心にお話を進めていきます。 電気式は設置がしやすく立ち上がりも早いのですが、その分、電気の容量や配線の安全設計がとても大切になります。

仕組みが分かれば「こういう理由で工事が必要なんだ」と納得でき、安心して導入を検討できるようになります。 まずは床暖房がどうやって暖かさを生み出しているのか、そのしくみから一緒に見ていきましょう。

床暖房の仕組みと部屋全体も暖かくなる不思議

床暖房を使うと、床だけでなく部屋全体がじんわりと暖かく感じられます。 これは「輻射熱(ふくしゃねつ)」という熱の伝わり方が関係しています。 輻射熱とは、温まったものから赤外線を介して周囲に熱が伝わっていく現象のことです。 太陽の光で体がポカポカするのと同じように、床暖房も床面から熱が放射されて、壁や天井、家具、そして人の体にまで熱が届きます。

エアコンなどの送風式暖房器具は空気を直接温めて風で循環させるため、天井付近ばかりが暖かくなりやすく、乾燥しやすい傾向があります。 一方、床暖房は足元から熱が伝わるので、体感温度が高く感じられ、部屋全体が均一に暖まりやすいのが特徴です。 しかも風を使わないので、ホコリが舞い上がりにくく、送風式暖房と比べて空気が乾燥しにくい傾向があるという嬉しい効果もあります。

項目説明
輻射熱の仕組み床面から赤外線を介して熱が放射され、部屋全体に広がります。
体感温度の違い足元が暖かいと、実際の室温より2〜3℃高く感じられることがあります。
空気の質風を使わないのでホコリが舞いにくく、送風式暖房より空気が乾燥しにくい傾向があります。
温度の均一性天井と床の温度差が小さく、部屋全体が均一に暖まります。

床暖房は「床が温かい」だけでなく、部屋全体を包み込むような心地よさを生み出してくれます。 足元がひんやりしないだけで、朝の支度も在宅ワークも、驚くほど快適になるかもしれません。 ただし、床暖房にもいくつかの種類があり、それぞれ暖まり方や電気の使い方が少し違います。 次は、電気式と温水式の違いについて見ていきましょう。

電気式床暖房と温水式暖房ってどう違う?

床暖房には「電気式」と「温水式」という2つの大きな種類があります。 どちらも床から部屋を暖めるという基本は同じですが、熱の生み出し方や設置の仕方、電気工事との関わり方が異なります。 「うちにはどっちが合うんだろう?」と迷われる方も多いかもしれませんね。 ここでは、それぞれの特徴を分かりやすく整理していきます。

項目電気式床暖房温水式床暖房
熱源床下に敷いた電気ヒーターで直接発熱します。ボイラーやヒートポンプで温めたお湯を床下パイプに循環させます。
立ち上がり速度スイッチを入れてから暖まるまで時間がかかります。大量の熱を循環させるため、電気式よりも立ち上がりが早くなります。
設置工事電気配線と専用回路の設置が主な工事です。給湯機器の設置や配管工事が必要になります。
温度の均一性ヒーター直上と離れた部分で温度差が出やすい傾向があります。お湯が循環するため、床全体が比較的均一に暖まります。

電気式床暖房は、床下に電気ヒーターを敷き詰めて直接発熱させる仕組みです。 部屋全体を暖めるには約1〜2時間以上かかりますが、一度暖まれば安定した温度を保ちやすく、長時間使いたい場合に向いています。 ただし、ヒーター直上は高温になりやすく、離れた部分との温度差が出やすいという特徴もあります。 電気式を導入する場合は、専用の電気回路を設けたり、分電盤の容量を確認したりといった電気工事が必要になります。

一方、温水式床暖房は、ボイラーやエコキュートなどでお湯を温め、そのお湯を床下のパイプに循環させて暖める方式です。 お湯が流れることで熱が均一に広がりやすく、床全体が安定した温度で暖まります。 立ち上がりが比較的早いため、短時間の使用にも対応しやすいのが特徴です。 温水式の場合も電気は使いますが、主な工事は給湯設備や配管の設置になるため、電気工事の比重は電気式ほど大きくありません。

この記事では、電気工事が深く関わる「電気式床暖房」を中心に、安全な設置方法や必要な準備について詳しくお伝えしていきます。

暖房がじんわり暖まる理由と温度ムラができるときの特徴

床暖房の魅力は「じんわりと足元から暖まる」心地よさにあります。 ただ、実際に使ってみると「この部分は温かいのに、あちらは冷たい」と感じることもあるかもしれません。 なぜ温度ムラが生まれるのか、その理由が分かれば、より快適に使うためのヒントが見えてきます。

床暖房がじんわり暖まるのは、床面全体から輻射熱が放射されるためです。 床面温度は通常25℃〜28℃程度に設定され、その熱が少しずつ空気や壁、天井、家具などに伝わっていきます。 急激に熱くなるのではなく、ゆっくりと全体が温まっていくので、体への負担が少なく、長時間いても疲れにくい暖かさになります。

項目説明
じんわり暖まる理由床面から輻射熱が放射され、空気だけでなく壁や家具にも熱が伝わるためです。
適切な床面温度通常25℃〜28℃程度に設定され、長時間の直接接触を避けることで低温やけどを防ぎつつ快適な暖かさを保ちます。
温度ムラの原因温度センサーの位置、家具の配置、床材の熱伝導率などが影響します。
家具配置の影響ソファやカーペットの下は熱がこもりやすく、センサーが高温を検知してヒーターが停止することがあります。

ただし、温度ムラが生じることもあります。 電気式床暖房の場合、設定により異なりますが、ヒーターが敷かれている部分とそうでない部分で温度差が出やすい傾向があります。 また、温度センサーが1〜2箇所にしか設置されていない場合、センサーの近くに家具やカーペットがあると、その部分だけが高温になり、センサーが高温を検知してヒーターの運転が停止してしまいます。 すると、他の場所はまだ冷たいのに暖房が切れてしまう、という状況が起こりやすくなります。

床材の種類によっても、熱の伝わり方が変わります。 熱伝導率の高い床材は熱が早く伝わりますが、逆に冷めやすい傾向もあります。 床暖房を快適に使うためには、温度センサーの位置を工夫したり、家具の配置を見直したり、床材を適切に選んだりといった配慮が大切になります。 こうした点も含めて、専門家に相談しながら設計を進めると、より快適な床暖房生活が実現できるかもしれません。

床暖房に電気工事が必要な理由と安全設計の基本

床暖房を安全に、長く快適に使うために欠かせないのが「電気工事」です。 「工事」と聞くと少し身構えてしまうかもしれませんが、実は家族が毎日安心して暖かく過ごせるようにするための、大切な準備です。

床暖房は、通常の家電とは違い、長時間にわたって安定した電力を使い続ける設備です。 だからこそ、専用の電気回路を設けたり、分電盤の容量をきちんと確認したりといった「安全設計」が必要になります。 こうした準備をしっかり行うことで、家全体の電気バランスが整い、他の家電と一緒に使っても問題なく、快適な床暖房生活が実現します。

有資格者がしっかりと設計・施工することで、安全性が確保され、長く安心して使える床暖房が完成します。

ここでは、なぜ専用回路が必要なのか、配線や漏電遮断器がどんな役割を果たしているのかを、やさしく丁寧にご説明していきます。 仕組みが分かれば「だから電気工事が大切なんだ」と納得でき、安心して導入を検討できるようになります。

床暖房に専用回路が必要な理由と、電気工事で守る容量バランス

床暖房を安全に使うために、まず知っておきたいのが「専用回路」のことです。 専用回路とは、床暖房だけのために用意された電気の通り道のことで、他の家電と電気を共有しない独立した配線のことを指します。 「なぜわざわざ専用の回路が必要なの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

床暖房は、長時間にわたって1,000W〜2,000W程度の電力を使い続ける設備です(規模により異なります)。 たとえば朝の忙しい時間帯、床暖房を使いながらIHクッキングヒーターで朝食を作り、エコキュートがお湯を沸かしていると、家全体の電気使用量が一気に高まります。 もし床暖房が他の家電と同じ回路を使っていると、電気容量の上限を超えてしまい、ブレーカーが落ちてリビングが真っ暗になってしまうこともあります。

項目説明
専用回路とは床暖房だけのために用意された独立した電気の通り道です
床暖房の消費電力1,000W〜2,000W程度の電力を長時間使い続けます(規模により異なります)
同時使用のリスク朝の時間帯にIH・エコキュート・床暖房が重なると、契約容量を超える可能性があります
ブレーカーの役割過負荷を検知すると自動的に電気を遮断し、配線の過熱を防ぎます

専用回路を設けることで、床暖房は安定した電力を確保でき、他の家電の使用にも影響を与えません。 また、電気工事では分電盤の容量を確認し、契約アンペア数とのバランスを調整します。 これは「負荷計算」と呼ばれるもので、どの時間帯にどれくらいの電気を使うかを想定し、安全な設計を行う作業です。

ブレーカーが落ちるのは、実は「保護動作」が働いている証拠です。 電気が流れすぎると配線が過熱し、最悪の場合は火災につながる恐れがありますが、ブレーカーが自動的に電気を遮断することで、そうしたリスクを未然に防いでくれます。 専用回路と適切な容量設計があれば、家族が安心して床暖房を使い続けることができます。

床暖房の導入を検討する際は、専門の電気工事業者に現地調査を依頼し、分電盤の状態や家全体の電気容量を確認してもらうことが大切です。 安全設計がしっかりしていれば、冬の朝も安心して暖かく過ごせる毎日が待っています。

電気配線と絶縁の設計が支える、床暖房の安全な電気工事

床暖房の安全を支えているのは、目に見えない部分にある「配線」と「絶縁」の設計です。 配線とは電気を運ぶケーブルのことで、絶縁とは電気が漏れないように保護する仕組みのことを指します。 この2つがしっかりしていないと、長く安心して床暖房を使い続けることが難しくなってしまいます。

電気配線には、流す電気の量に応じて適切な太さや素材が決められています。 床暖房のように長時間、安定した電力を使う設備には、太めの配線が必要です。 配線が細すぎると、電気が流れる際に抵抗が生まれ、配線そのものが熱を持ってしまいます。 この熱が蓄積すると、配線を覆っている絶縁材が劣化し、最悪の場合は火災につながる恐れもあります。

項目説明
配線の太さ電気の量に応じて適切な太さ(直径)が決められており、床暖房には専用の太い配線が使われます。
絶縁の役割配線を覆う絶縁材が電気の漏れを防ぎ、安全性を保ちます。
接続部の重要性配線同士をつなぐ接続部分が確実でないと、接触不良による発熱の可能性があります。
有資格者施工の意義第二種電気工事士などの有資格者が、法令に基づき安全に施工します。

絶縁材は、配線を覆うビニールやゴムなどの素材で、電気が外に漏れないように保護しています。 長年使っていると、熱や湿気の影響で少しずつ劣化することもありますが、適切な配線設計と定期的な点検があれば、安全性を長く保つことができます。

また、配線同士をつなぐ接続部分も重要なポイントです。 接続がゆるんでいたり、正しく施工されていなかったりすると、その部分で抵抗が生まれて熱を持ち、火災のリスクが高まります。 有資格者による施工では、こうした接続部分も確実に処理され、安全基準を満たした状態で仕上げられます。

電気工事は、第二種電気工事士などの国家資格を持つ専門家が行います。 資格を持つ技術者は、配線の太さ、絶縁の状態、接続の方法など、法令で定められた安全基準をしっかり守って施工します。 目に見えない部分だからこそ、プロの手でしっかりと設計・施工することが、家族の安全を守る上で何より大切です。

安全な配線と絶縁設計があれば、冬の間ずっと安心して床暖房を使い続けることが可能になります。

▶︎参考【経済産業省】電気設備の安全

漏電遮断器の働きと、安全を支える床暖房の電気設計

床暖房の電気工事では「漏電遮断器」という安全装置が重要な役割を果たします。 漏電遮断器とは、電気が本来の通り道から漏れ出したときに、素早く電気を遮断してくれる装置のことです。 「ブレーカーが落ちたら安全」と思われがちですが、実は漏電遮断器は最終的な防御装置であり、本当に大切なのは設計段階での安全対策です。

電気は通常、配線の中だけを流れるように設計されています。 しかし、配線の絶縁材が劣化したり、接続部分に問題があったりすると、電気が外に漏れ出してしまうことがあります。 これが「漏電」という状態で、漏れた電気が人の体に触れると感電する危険があります。 漏電遮断器は、わずかな漏電でも素早く検知し、約0.1秒以内に電気を遮断することで、感電から身を守ってくれます。

項目説明
漏電遮断器とは電気が漏れ出したときに素早く電気を遮断する安全装置です。
動作のしくみわずかな漏電を検知すると、約0.1秒以内に自動的に電気を遮断します。
感電防止の役割漏電による感電事故を未然に防ぎ、家族の安全を守ります。
設計段階の重要性漏電遮断器は最終防御であり、配線設計や絶縁処理といった根本的な安全対策が最も重要です。

ただし、漏電遮断器はあくまで「最後の砦」です。 理想的なのは、そもそも漏電が起こらないように、配線の太さや素材、絶縁の状態、接続部分の処理をしっかりと設計段階で整えておくことです。 有資格者による電気工事では、こうした根本的な安全対策を丁寧に行った上で、さらに漏電遮断器を設置することで、二重三重の安全を確保します。

床暖房は一般的に長時間使用される設備だからこそ、設計段階での安全性がとても大切です。 適切な配線設計、確実な絶縁処理、そして漏電遮断器の設置、この3つが揃うことで、家族が安心して暖かく過ごせる冬が実現します。

電気工事を依頼する際は、しっかりとした設計と施工を行ってくれる地域の専門業者に相談することで、安全性の高い床暖房を導入することができます。 目に見えない部分だからこそ、プロの技術と経験が、長く安心して使える床暖房をつくり上げてくれます。

▶︎参考【経済産業省】電気設備の技術基準の解釈

床暖房と電気工事の関係から考える床材選びのポイント

床暖房を導入する際、電気工事と同じくらい大切なのが「床材選び」です。 「どんな床でも床暖房は使えるんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は床材によって床暖房の性能や快適さが大きく変わってきます。

床暖房は、床下のヒーターから発生した熱を床材を通して部屋に伝える仕組みです。 床材の種類によって、熱の伝わりやすさや温度の保ち方が異なるため、床暖房対応の床材を選ぶことがとても重要になります。 床暖房に対応していない床材を使ってしまうと、熱によって床が反ったり、割れたり、隙間が開いたりする可能性があります。

床暖房対応の床材には、複合フローリング、無垢フローリング、タイルなどがあり、それぞれに特徴があります。 たとえば、複合フローリングは熱による変形が少なく安定性が高い一方、無垢フローリングは天然木の風合いが楽しめますが、樹種や厚みによっては注意が必要です。

床材選びは、床暖房の快適さや耐久性を左右する大切な要素です。 ここでは、それぞれの床材の特徴と床暖房との相性についてお伝えしていきます。

項目複合フローリング無垢フローリング
適合性多くの製品が床暖房に対応対応品が限られ、樹種・厚みに制限あり
熱への安定性反り・割れが起こりにくい含水率変化で反り・割れが起こりやすい
温度の均一性均一に暖まりやすいムラが出やすい
メンテナンス手入れが簡単乾燥に注意、手入れが必要
コスト比較的リーズナブル床暖房対応品は高め

複合フローリングが床暖房と相性がいい理由

床暖房を導入する際、多くの方に選ばれているのが「複合フローリング」です。 複合フローリングとは、合板などの基材の上に、薄い天然木の表層を貼り合わせた床材のことで、見た目は天然木の美しさを持ちながら、構造的には安定性が高いという特徴があります。 「床暖房対応」と表示されている床材の多くが、この複合フローリングです。

複合フローリングが床暖房と相性がいいのは、三層構造が熱による膨張や収縮を吸収してくれるためです。 床暖房を使うと、床材は温度変化にさらされますが、複合フローリングは合板基材と天然木表層が組み合わさることで、変形をバッファリングし、反りや割れが起こりにくくなっています。

項目説明
構造合板基材の上に厚さ2mm以上の天然木表層を貼り合わせた三層構造です。
熱による変形三層構造が膨張・収縮を吸収し、反りや割れがほぼ起こりません。
床暖房との相性床暖房対応品として広く普及しており、安定した性能を発揮します。
見た目と機能性天然木の風合いを楽しみながら、安定性と耐久性を兼ね備えています。

複合フローリングは、熱に対する安定性が高く、床暖房の快適さを活かすことができます。 床材全体が均一に温まりやすく、温度ムラが出にくいため、足元から心地よい暖かさを感じられます。 また、厚みや素材のバリエーションも豊富で、リビング、寝室、子ども部屋など、部屋ごとの用途に合わせて選ぶこともできます。

メンテナンスのしやすさも魅力の一つです。 表面にコーティングが施されているものが多く、日常的な掃除も簡単で、汚れや傷にも強い傾向があります。 長く快適に使い続けたいという方にとって、複合フローリングは安心して選べる床材といえるでしょう。

無垢材を使うときに注意したい、電気式床暖房との付き合い方

天然木の温もりや経年変化を楽しめる「無垢フローリング」は、床暖房でも使いたいと考える方が多い床材です。 無垢材とは、天然木を一枚板で切り出した床材のことで、木本来の風合いや肌触りの良さが魅力です。 ただし、床暖房と組み合わせる場合は、いくつか注意したいポイントがあります。

無垢材は、複合フローリングと違い、温度や湿度の変化によって膨張したり収縮したりする性質を持っています。 床暖房を使うと床下から熱が伝わり、木材の含水率が変化するため、反りや割れ、隙間が生じやすくなります。 冬場の暖房使用により、無垢材は特に乾燥環境にさらされやすくなるため、影響が大きくなる傾向があります。

項目説明
乾燥による反り床暖房の熱で木材の含水率が下がり、反りや割れが生じやすくなることがあります。
隙間の発生木材が収縮することで、板と板の間に隙間ができる場合があります。
適性樹種オーク(ナラ)、メープル、チークなど、油分が多く乾燥に強い樹種が向いています。
特殊処理の必要性床暖房対応には、特殊な乾燥処理や熱処理が施された製品を選ぶ必要があります。

もし無垢材で床暖房を使いたい場合は、「床暖房対応」として特殊な乾燥処理や熱処理を施された製品を選ぶ必要があります。 この処理により、木材の含水率を安定させ、温度変化による変形を最小限に抑えることができます。

樹種選びも重要なポイントです。 床暖房に向いているのは、オーク(ナラ)、メープル、チークといった、油分が多く乾燥に強い樹種です。 これらの樹種は、温度変化に対する耐性が比較的高く、反りや割れが起こりにくい特徴があります。 逆に、柔らかい針葉樹や含水率が高い樹種は、床暖房には向かない傾向があります。

厚みや幅にも制限があります。 床暖房対応の無垢材は、通常12〜15mm程度の厚みに設定され、また幅方向でも狭めに設計されていることが多い傾向です。 これは、温度変化による膨張・収縮の影響を抑えるための工夫です。

仕上げ方法によっても、床暖房との相性が変わります。 床暖房対応の無垢材は、オイル仕上げ(浸透性塗料)か薄いウレタン塗装が推奨されることが多いようです。 表面に厚い塗装を施すと熱の伝わりが悪くなるため、このような仕上げが選ばれます。

無垢材の床暖房は、正しく選んで適切に施工すれば、天然木の温もりと床暖房の快適さを両立することができます。 ただし、複合フローリングに比べると初期費用が高くなる傾向があり、メンテナンスにも気を配る必要があります。 無垢材を検討される場合は、床暖房の施工経験が豊富な業者に相談し、樹種や厚み、仕上げ方法についてしっかりと確認することが大切です。

天然木の風合いを大切にしたい方にとって、無垢材は魅力的な選択肢ですが、床暖房との相性をよく理解した上で選ぶことで、長く快適に使い続けることができるかもしれません。

電気工事の前にチェックしておきたい床暖房対応フローリングと電気設計のポイント

床暖房の導入を検討する際、電気工事と床材選びは切り離せない関係にあります。 「床材はあとから考えればいいかな」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は電気工事を始める前に床材を決めておくことが、スムーズな導入につながります。

床暖房対応の床材を選ぶときに、まず確認したいのが「床暖房対応」という表示です。 カタログや見積書に「床暖房対応フローリング」という記載があるか、また「床暖房条件下での保証」という文言があるかをチェックすることが大切です。 床暖房対応でないフローリングを使用した場合、浮きや割れが発生するリスクがあり、補修方法は被害範囲や下地の状態によって異なります。

項目説明
床暖房対応の表示カタログや見積書に「床暖房対応フローリング」と明記されているかを確認します。
保証の有無床暖房使用時の保証内容が明記されているかをチェックします。
樹種と厚みの記載使用する樹種やフローリングの厚みが具体的に記載されているかを確認します。
施工条件の確認床暖房の設定温度や施工方法について、メーカーの指定条件をチェックします。

見積書で確認すべきポイントは、いくつかあります。 まず、床材の商品名だけでなく、「床暖房対応品」という記載があるかどうかです。 一般的なフローリングと床暖房対応フローリングは別の製品ラインになっていることが多いため、明確な区別が必要です。

また、保証内容も重要です。 「床暖房条件下での保証」という文言が入っているかを確認し、保証期間や保証対象についても具体的に記載されているかをチェックしましょう。 床暖房に対応していない床材を使った場合、メーカー保証の対象外となり、修理費用が自己負担になる可能性があります。

樹種や厚みについても、具体的な記載があるかを確認することが大切です。 特に無垢材を選ぶ場合は、使用する樹種(オーク、メープル、チークなど)と厚み(12〜15mm程度)が明記されているかを見ておくと安心です。

電気設計との関係も見逃せません。 床材の種類によって熱の伝わり方が異なるため、床暖房のヒーター容量や温度設定も変わってきます。 電気工事業者と床材施工業者がしっかり連携して、床材の特性に合わせた電気設計を行うことで、効率よく快適な床暖房が実現します。

床暖房の導入を検討される際は、電気工事と床材選びを同時に進め、専門業者に相談しながら全体の計画を立てることが安心です。

床暖房の電気工事で行われる現地調査と工事の進め方

床暖房の電気工事は、思っているよりもシンプルで分かりやすい流れで進みます。

まず専門の技術者が実際にお宅を訪問し、分電盤の状態、既存の配線、床下の状況などを丁寧に確認する現地調査を行います。 この調査で、わが家にぴったりの電気設計の方向性が見えてきます。 家ごとに条件が違うからこそ、この現地調査がとても大切な第一歩になります。

調査結果をもとに、専用回路の設置、配線工事、床暖房本体の取り付け、試運転といった流れで工事が進みます。 各部屋ごとに温度を調整できるように設計したり、タイマーで運転時間をコントロールできるようにしたり、暮らし方に合わせた工夫も取り入れられます。 リビングは朝から、寝室は夜だけ、子ども部屋は帰宅後だけといった使い分けも可能です。

工事が完了したら、実際に床暖房を動かして動作確認を行い、問題がなければ引き渡しです。 保証やアフターサービスの内容は、工事完了時に書面で説明・提供されます。

ここでは、現地調査で何を見るのか、工事がどのように進むのか、完成までの流れをお伝えしていきます。

床暖房の電気工事で行う分電盤・配線・経路のチェックポイント

床暖房の電気工事を始める前に、まず行われるのが現地調査です。 専門の技術者がお宅を訪問し、分電盤、既存の配線、床下の状況などを細かくチェックします。 この調査で「わが家の電気環境」が見える化され、安全で効率的な床暖房設計の土台ができあがります。

現地調査では、まず分電盤を開けて、空きスペースがあるか、契約容量(アンペア数)に余裕があるかを確認します。 既存のブレーカーの配置や種類、漏電遮断器の有無なども重要なチェックポイントです。 また、既設の配線がどのように引かれているか、床下や壁の中の配線経路も確認します。

項目内容
分電盤の空きスペース床暖房専用ブレーカーを追加できる空きスペースがあるかを確認
契約容量の確認家全体の電気使用量と契約アンペア数のバランスをチェック
既設配線の状態配線の劣化、太さ、種類が適切かを確認
床下の状況配線スペース、断熱材の有無、湿気状態などを確認

分電盤のチェックでは、「空きブレーカーがあります」と見えても、実は将来的な増設計画で予約済みということもあります。 技術者は、単にスペースがあるかだけでなく、家全体の電気使用計画を考慮して判断します。

床下の調査も重要です。 既設の配管との位置関係、結露による湿度の影響、断熱材の有無などを確認します。 特に築年数が経っている住宅では、昭和50〜60年代に施工された配線の銅線が酸化していることもあり、見た目は問題なくても内部で絶縁が劣化している可能性があります。

家ごとに条件が異なるため、現地調査の結果をもとに、最適な配線経路や工事方法を設計します。 たとえば、床下にスペースがあれば床下配線、難しければ壁内配線や露出配管といった選択肢があります。

現地調査では、単に「工事ができるか」を確認するだけでなく、「どうすれば最も安全で効率的に設置できるか」を専門家が見極めてくれます。 この丁寧な調査があるからこそ、家族が安心して使える床暖房が実現します。

部屋ごとに温度を調整できる床暖房の分け方とコントロール方法

床暖房を導入する際、ぜひ知っておきたいのが「部屋ごとに温度を調整できる」という機能です。 リビングは家族全員が長時間過ごすので朝からしっかり暖めたい、寝室は夜だけ使いたい、子ども部屋は帰宅後だけでいい、といった使い分けができると、快適さと省エネの両立が実現します。

床暖房の温度調整は、リモコンやタイマーを使って行います。 部屋ごとに独立した回路を設けることで、それぞれの部屋の温度を個別にコントロールできるようになります。 これを「ゾーニング」と呼び、電気工事の設計段階で組み込むことができます。

項目説明
ゾーニング設計部屋ごとに独立した回路を設け、個別に温度調整が可能にする仕組み
タイマー機能起床・帰宅時間などに合わせて運転時間を自動設定できる機能
温度段階調整リモコンで温度を段階的に調整し、快適な温度を保てる機能
複数パターン予約平日・休日などで異なる運転パターンを登録できる機種の機能

たとえば、リビングは朝6時から夜10時まで、寝室は夜8時から翌朝7時まで、子ども部屋は午後4時から夜9時まで、といった設定が可能です。 家族の生活リズムに合わせて細かく調整できるので、無駄な電気を使わず、必要な時間だけ快適に過ごせます。

リモコンは、壁に取り付けるタイプやワイヤレスで持ち運べるタイプがあります。 温度を段階的に調整できる機種が多く、「少し暑いな」と感じたら1段階下げる、「もう少し暖かくしたい」と思ったら1段階上げる、といった微調整が簡単にできます。

タイマー機能を活用すれば、朝起きる20〜30分前に床暖房をタイマー予約することで、起床時に室温がやや上昇した状態が期待できます。 十分な暖かさを確保したい場合は、建物の断熱性や外気温に応じて予約時間を調整するとより快適です。 帰宅時間に合わせて自動運転すれば、家に帰った瞬間から暖かい部屋で過ごせます。

在宅ワークが増えている今、日中はリビングだけ暖めて他の部屋は切っておく、といった柔軟な使い方ができるのも嬉しいポイントです。 暮らし方に合わせて自由に調整できる床暖房は、快適さと経済性の両方を叶えてくれます。

床暖房の電気工事から試運転・引渡しまでの流れ

現地調査が終わり、設計が決まったら、いよいよ実際の工事が始まります。 床暖房の電気工事は、段階を踏んで丁寧に進められるので、初めての方でも安心して任せることができます。 ここでは、工事開始から引き渡しまでの流れを、順を追ってお伝えします。

まず、分電盤の増設工事から始まります。 床暖房専用のブレーカーを取り付け、専用回路を確保します。 この時、既存の配線状態や契約容量に応じて、必要な調整も行われます。

次に、配線工事が行われます。 分電盤から床暖房を設置する部屋まで、専用の配線を引いていきます。 床下にスペースがあれば床下配線、難しい場合は壁内配線や適切な経路を選んで施工します。

工程内容説明
分電盤増設床暖房専用ブレーカーを取り付け、専用回路を確保する作業
配線工事分電盤から床暖房の設置場所まで専用配線を敷設する工程
床暖房本体取付ヒーターパネルやリモコンなどの機器を設置する作業
動作確認・試運転通電して正常に動作するかをチェックする工程

配線が完了したら、床暖房本体の取り付けです。 ヒーターパネルを床下に敷設し、リモコンを壁面に取り付けます。 各部屋ごとの温度センサーも、適切な位置に配置されます。

すべての機器が取り付けられたら、試運転を行います。 実際に電源を入れて、床暖房が正常に動作するか、各部屋の温度調整ができるか、タイマー機能が正しく動くかなどを細かくチェックします。 この段階で、リモコンの使い方や温度設定の方法についても、施工店から説明があります。

試運転で問題がなければ、引き渡しです。 保証書やアフターサービスの案内が渡され、万が一のトラブル時の連絡先も確認できます。 保証内容は施工業者やメーカーによって異なりますが、一般的には施工後1〜2年の保証がついていることが多いようです。

引き渡し後は、施工業者やメーカーによるアフターサービスやメンテナンスプランを利用することで、長く安心して使い続けることができます。 工事の流れを知っておくと、「今どの段階なのか」が分かり、安心して完成を待つことができそうです。

まとめ|床暖房の電気工事でつくる、安心と快適が続く暮らし

ここまで、床暖房の仕組みから電気工事の必要性、床材選び、そして実際の工事の流れまでをお伝えしてきました。

床暖房は、床面から輻射熱で部屋全体を包み込むように暖める設備で、足元から心地よい温かさを感じられます。 電気式床暖房を安全に使うためには、専用回路の設置、適切な配線設計、漏電遮断器の配置といった電気工事が欠かせません。 これらは家族が毎日安心して暖かく過ごすための、大切な準備です。

床材選びも、床暖房の快適さを左右する重要なポイントです。 複合フローリングは熱による変形が少なく安定性が高い一方、無垢フローリングは樹種や厚み、仕上げ方法を選ぶことで床暖房との両立が可能になります。 電気工事を始める前に、床暖房対応の表示や保証内容をしっかり確認することで、長く安心して使える床暖房が実現します。

実際の工事は、現地調査から始まり、分電盤の増設、配線工事、本体取り付け、試運転、引き渡しという流れで進みます。 部屋ごとに温度を調整したり、タイマーで運転時間をコントロールしたりと、暮らし方に合わせた工夫も取り入れられます。

冬の朝、素足でリビングに降りた瞬間に感じる、じんわりとした温かさ。 家族が快適に過ごせる空間は、正しい電気工事と適切な床材選びから生まれます。

「うちの家でも床暖房は使えるのかな」「どんな工事が必要なんだろう」そんな疑問や不安を感じたら、まずは地域の電気工事業者に話を聞いてみるのもいいかもしれません。 現地調査は無料で行っている業者も多く、わが家に合った方法を一緒に考えてもらえます。

「うちの家でも床暖房は使えるのかな」「どんな工事が必要なんだろう」そんな疑問や不安を感じたら、まずは地域の電気工事業者に話を聞いてみるのもいいかもしれません。

行橋市・北九州市で52年電気工事に携わってきた林田電気工業なら、この地域の家の特性や気候に合わせた提案ができます。 古い配線の状態も、床下の湿気も、地域ならではの冬の冷え込みも、長年この土地で仕事をしてきたからこそ分かることがあります。

床暖房が気になったら「うちの場合はどうなんだろう」という疑問をお話しください。

お話をしながら、あなたのお家にあった暖かい暮らしをみつけるお手伝いができたら嬉しいです。

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