電話配線工事って?仕組みや注意点を詳しく解説

スマートフォンの普及とともに一般家庭では目にすることが少なくなった固定電話。

しかし、オフィスや工場、店舗ではまだまだ根強く活用され続けています。

オフィスや店舗の移転や新設に伴い電話線工事に悩んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

業者に聞く前に少しでも予備知識をつけておきたいという方に、電話線工事について詳しく解説します。

気をつけたいポイントや仕組みもお伝えします。

納得して安心した電話線工事と電話の設置のお手伝いになれたら幸いです。

株式会社 林田電気工業

林田竜一

代表取締役

1級電気工事施工管理技士

行橋市で電気工事会社を経営しています。お客様ひとりひとりに丁寧に対応し、電気でつなぐ明るい未来をスローガンに地域に貢献できるように努めています。

この記事の監修者

半世紀の歴史!
福岡県行橋市の電気会社
林田電気工業

電気に関するお悩みは
お気軽にご相談ください

専任のスタッフがお客様のご不明な点にお答えいたします。お困りでしたらお電話またはお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

受付:月〜金 10:00〜17:00 土日祝日 定休日

電話線とは

電話線は名前の通り電話機同士を繋いで音声やデータの橋渡しをする「道」のようなものです。

昨今、スマートフォンや光回線の普及により電話機や電話線の必要性が少なくなってきました。

しかし、災害時にも安定的に使いやすい面やセキュリティの観点からも重要視している方も多いようです。

特にオフィスや店舗、公共施設では多く用いられています。

電話線の役割

電話線の大きな役割の一つは、電話機同士を物理的に接続して、音声やデータを伝送することです。

電話機を他の電話機や通信ネットワークと連携して機能するための下地となる道の役割を担っているのです。

音声の伝達

電話線は音声信号を、一方の電話機から他の電話機へと伝える役割を担っています。

音声信号とは、通話する人の声を電気信号に変換した信号のことです。

音声信号が電話線を通じて、相手の電話機に送られることで離れた場所との会話も可能にするシステムです。

また、電話線は音声のみならずFAXなどのデータを送ることもできます。

特にインターネットを使った電話(IP電話)では、電話線がインターネット回線としても用いられています。

電話線は、動線や光ファイバーなどで作られて信号を輸送しています。

インターネットの接続

電話線はインターネットに接続するためにも使われています。

現在の主流は光回線で、電話線を用いないものも多くあります。

しかし今でも一部のインターネットサービスは電話線を使って接続されています。

光回線が主流になる前は、モデムという装置を使って接続するモデム接続が主流でした。

今日でもADSLなどの技術は電話線を利用しています。

ネットワークに繋ぐ

電話線は家庭やオフィスの電話機を、ネットワークに繋ぐ「通路」のような役割を担っています。

家庭やオフィスの電話機は電話線を介して通信会社のネットワークに接続されます。

そのネットワークを通じで国内外の他の電話機との通話を可能にしています。

また、家庭内やオフィスの屋内ネットワークの構築にも電話線は活用されます。

内線番号のような短い番号で社内で電話機同士を繋げることも可能です。

信頼性と安全性

電話線は通話やデータのやり取りが確実に行われるように設計されています。

特にアナログ電話線は信頼性が高いとされており、停電時やトラブルがあっても機能し続けることが多いです。

一部の電話線では電話機に電力が供給される役割も備わっていて、これにより停電時にも電話機が動作することがあるのです。

また、スマートフォンなどでたまに起こるシステム障害の影響を受けにくいこともあげられます。

電話回線のIP網への移行って?

2024年1月1日に電話回線は従来のアナログ網からIP網へと移行しました。

移行はしましたが、今まで使用していた固定電話の番号は通常通り使用可能です。

また、基本料金にも変更はなく、以降に伴う工事も不要です。

IP網への移行には主に次の二つの理由があげられます。

  • 固定電話の需要が減少したこと
  • アナログ網の設備の維持限界

今まで電話線を引く際に必要だった電話加入権がなくなることも大きな変化の一つとも言えます。

このIP網への移行に関して、契約者側が行う作業や手続きは原則ありません。

参考|NTT西日本:固定電話(加入電話・INSネット)のIP網移行を2024年1月1日から順次開始

電話線工事は自分でもできる?

DIYがブームになっていることもあり、電話線の配線に挑戦したい!という方もいらっしゃるようです。

電話配線に限らず、屋内配線に関するDIYの方法がインターネットでも多く紹介されています。

しかし、屋内配線工事を行うためには「電気工事士」という国家資格が必要になります。

電話線工事も配線工事の一つで、配線工事に分類されます。

電気に関わる工事は、感電事故や火災を起こす危険を伴っている工事です。

正しい知識や技術を持たずに配線工事を行うことは大変危険です。

そのため、厳しく法律で「有資格者」が行う工事とされています。

電話線工事を検討される場合は電気工事士の有資格者が在籍する専門業者に相談されるようにしてください。

配線作業は「電気工事士」の資格が必要です。

これは電気工事士法第3条第1項及び第2項に規定されています。

違反した場合、3ヶ月以下の懲役または3万円以下の罰金が課せられます。

一般家庭には100〜200Vの電流が流れています。

電流は取り扱いによっては感電や火事などの命に関わる危険性があります。

知識がないまま配線に触れるのは大変危険です。

そのため法律で専門の資格を持った電気工事士が行うことが定められています。

参考情報|経済産業省 電気工事士法(昭和35年8月1日法律第139号)の逐条解説 (令和5年11月版)

https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/law/files/koujisichikujyou.pdf

参考情報|電気工事士法(昭和三十五年法律第百三十九号)第14条  

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000139

電話線工事の種類

電話配線工事とは、電話回線を引き込み適切に利用する状態にするために行われる工事のことです。

主に屋外配線工事(回線工事)と屋内配線工事にわけられます。

屋外配線工事(回線工事)

屋外配線工事(回線工事)とは、電柱から建物内部に配線を通す工事です。

基本的にはNTTが行い、電柱から建物まで物理的に電話配線を引き込む作業が含まれます。

屋外配線工事は、アナログ回線、デジタル回線、光回線などどの回線を使用するかによって異なる技術が用いられます。

屋外配線工事は、新しい建物や古い建物に新たに回線を追加する場合などの、電話回線がまだ引かれていない場合に必要となります。

電柱から建物にケーブルを敷設し、建物内の保安器に接続します。

保安器は、雷や過電流などの影響から電話機を保護するための装置です。

屋外配線工事は、建物の外部で行われるため、天候や敷地の条件によって工事期間が左右されることがあります。

また、建物の所在地や使用する回線の種類によって、工事の規模や費用が異なることもあります。

例えば、光回線を引き込む場合、専用の光ファイバーケーブルを使用するため、従来の銅線に比べて工事が複雑になることがあります。

屋内配線工事

屋内配線工事は、屋外から引き込まれた電話回線を、建物内で各電話機や通信機器に接続するための工事です。

これは、オフィスや家庭内で電話機が適切に動作するように、電話線を各部屋やデスクまで引き込む作業を指します。

屋内配線工事は主に電話工事業者が担当する工事です。

屋内配線工事には屋外から建物内に引き込まれた電話線を、必要な場所に配線する作業が含まれます

モジュラージャックと呼ばれる接続口が設置され、電話機やファックスなどの機器を接続します。

さらに、ビジネス環境では、主装置(PBX)と呼ばれる電話システムの中心装置に電話機を接続し、内線通話や外線通話を管理する仕組みも構築されることが多いです。

屋内配線工事は、建物のレイアウトや電話機の配置に応じて設計されるため、工事の計画段階で十分な打ち合わせが必要です。

また、配線が目立たないように配慮したり、後から簡単に修理や増設ができるように設計することも大切です。

屋内配線工事は、配線の方法や使用するケーブルの種類によって、音声品質や通信速度に影響を与えるため、適切な配線が求められます。

電話線の配線工事は複数の業者への依頼が必要?

電話線の工事と聞いて多くの人が思い浮かべるのがNTTではないでしょうか?

実際にNTTが全ての電話配線業務を行なっているわけではないということをご存知ですか?

電話の配線工事はNTTが行うと思っていらっしゃる方も実際多いようです。

箇所種類業者
屋内・交換機工事
・電話配線工事
・電話機器設置工事
専門の業者
屋外・電話配線工事NTT

電話工事とは交換機工事、電話配線工事、電話機設置工事の総称です。

その中でもNTTが行うのは屋外の「電話配線工事」

つまり、電話線をオフィスや店舗、工場、ご自宅などに引き込むまでの作業分担を担っています。

それ以外の工事は専門の業者に依頼する必要があります。

移転や新設で電話工事が必要になる場合は複数の業者の調整が必要になります。

計画的に行うことをおすすめします。

電話の配線方法について

電話の配線方法にはいくつか種類があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。

どの配線方法を選ぶかは、オフィスや家庭での電話の使い方に合わせて決めることが大切です。

ここでは、「スター配線」「バス配線」「LAN配線」の3つの方法についてわかりやすく説明します。

どの方法が最適か検討される場合や、業者から提案された際の参考にしていただけたらと思います。

配線方式特徴メリットデメリット
スター配線各電話機が直接、主装置に接続される方式。
配線が独立している。
他の電話機に影響を与えず、トラブルの特定が容易。
増設が簡単。
配線が多くなり、管理が複雑になる。
設置コストが増加する。
バス配線1本の配線を複数の電話機で共有する方式。
配線が分岐する。
配線数が少なく、物理スペースを節約できる。
コストが抑えられる。
トラブルが発生すると全ての電話機に影響。
問題特定が難しい。
LAN配線インターネット回線を利用したIP電話に対応する配線方式。
ネットワーク機器を介して接続。
インターネット回線と一元管理が可能。
通話料金が低い。
電源供給が必要。
ネットワーク障害の影響を受けやすい。

主装置とは

回線の説明をする前に覚えておいていただきたいことが、主装置の存在です。

主装置とは、ビジネスフォンシステムの重要な役割を担う装置です。

ビジネスフォンとはオフィスなどのビジネスシーンで使用される電話システムのことです。

家庭用の電話機は主に1台で外線の発着信を行うため、制御が比較的簡単です。

しかし、ビジネスフォンでは複数の専用電話機で外線や内線の発着信を行うために複雑な制御が必要になります。

さらにドアフォンや複合機などの様々な通信機器も、電話回線やインターネット回線、モジュラーケーブル、LNAケーブルなどで接続され管理されます。

外部からのFAX受信も全て主装置を介して行われるのです。

主装置はオフィスの内外を問わず、全ての通信を集約して制御する、オフィスの通信の中核を成している重要な装置と言えます。

スター配線

スター配線は、各電話機が個別に中心となる装置(主装置)に直接接続される方式です。

スター配線では、主装置が電話システムのハブとなり、そこから各電話機へ個別の配線が伸びています。

スター配線は、その名の通り、星(スター)の形状をイメージしたものです。

スター配線は、電話機が多いオフィスやビジネス環境で特によく採用されており、個々の配線が独立しているため、システムの柔軟性と信頼性が高いのが特徴です。

スター配線のメリット

スター配線にはいくつかのメリットがありますが、最大のメリットはシステム全体の安定性だと言われています。

各電話機が独立した配線で主装置に接続されているため、一部の配線に問題が発生しても、他の電話機やシステム全体に影響が少なく済みます。

例えば、ある一台の電話機の配線が断線したり、電話機自体が故障した場合でもその影響はその電話機に限定されます。

他の電話機は通常通り使用できるため、システムの一部が故障しても業務に大きな支障をきたすことがありません。

また、問題が発生した際には、障害箇所を特定しやすいという利点もあります。

配線が各電話機ごとに独立しているため、どの配線や電話機が原因でトラブルが発生しているのかを迅速に確認することができ、修理や交換が容易です。

このため、メンテナンス性が高く、トラブル対応にかかる時間やコストを抑えられます。

さらに、スター配線は後から電話機を増設する際にも柔軟に対応できます。

新しい電話機を追加したい場合、主装置から新たに配線を引くことで、既存のシステムに簡単に組み込むことができます。

このため、オフィスの規模拡大や業務の変化に応じて柔軟に対応できる点も大きなメリットです。

スター配線のデメリット

スター配線のデメリットの一つは、配線の数が増えやすいことです。

電話機が増えるたびに、それぞれに対して独立した配線を引かなければならないため、配線の総数が多くなります。

そのため配線が複雑になり、整理や管理が難しくなることがあります。

特に、大規模なオフィスでは配線の取り回しが煩雑になりやすく、配線が絡まったり、どの配線がどの電話機に繋がっているかが分かりにくくなることも少なくありません。

また、配線が多いことで、物理的なスペースも多く必要になります。

配線を通すためのダクトや配線スペースが不足すると、配線が床や壁を這うような状態になり、オフィスの美観や安全性に影響を及ぼす可能性があります。

このため、配線スペースを確保するための設置工事やインフラ整備が必要となり、設置コストが増加する場合があります。

さらに、配線が長くなると、配線の劣化やノイズの影響を受けやすくなることも考慮する必要があります。

長距離にわたる配線では、信号の減衰やノイズの混入が起こりやすく、通話品質に影響を与えることがあります。

そのため、配線の品質や配線経路の設計にも注意が必要です。

バス配線

バス配線は、複数の電話機が1本の配線を共有して主装置(電話システムの中心となる装置)に接続される配線方式です。

バス配線方式では、主装置から出た1本の配線が途中で分岐して各電話機に繋がっていきます。

いわば、1本の幹(バス)が途中で枝分かれし、各電話機という枝に繋がるイメージです。

分岐する部分にはローゼットと呼ばれる機器を接続します。

バス配線は、古くから使われている伝統的な配線方法であり、オフィスや家庭などで広く採用されてきました。

バス配線のメリット

バス配線の大きなメリットは、配線の総距離が短く済むことです。

スター配線のように各電話機ごとに独立した配線を必要とせず、1本の配線を複数の電話機で共有するため、物理的なスペースの節約につながります。

たとえば、10台の電話機がある場合でも、主装置からは1本の配線を引くだけで済みます。

このため、オフィスや家庭内で配線が目立たず、スッキリとした見た目になります。

また、配線がシンプルであるため、初めての設置やメンテナンスの際にも手間がかからず、効率的に作業を進めることができます。

その結果、配線工事の初期費用を抑えることが期待できます。

バス配線のデメリット

バス配線のデメリットの一つはトラブルが起きた場合に複数の電話機が使えなくなるリスクが高まることです。

バス配線は1本の配線に問題が発生すると、その配線を共有しているすべての電話機が影響を受けてしまいやすいです。

たとえば、配線が途中で断線したり、ショートした場合、その配線に接続されている電話機がすべて使えなくなってしまいます。

さらに、バス配線では、問題が発生した際にその原因を特定するのが難しくなることがあります。

どの電話機が問題を起こしているのか、あるいはどの部分の配線にトラブルがあるのかを突き止めるためには、配線全体をチェックする必要があり、時間と手間がかかります。

また、電話機を増やす場合には、新たな分岐を作成する必要があります。

既存の配線に新しい電話機を追加するためには、配線を一度切断し、そこから新しい枝を分岐させる作業が必要になります。

このため、将来的な増設を見越して計画的に配線を行うことが求められます。

LAN配線

LAN配線は、インターネット回線を利用して通話するIP電話(インターネット電話)に対応する配線方法です。

LAN配線方法は、主にオフィスのネットワーク環境で使われ、電話機がネットワーク機器(スイッチやハブ)を通じて接続されます。

インターネット回線を活用することで、従来の電話線を使わずに電話をかけることができるため、近年のオフィス環境では広く普及している方法です。

LAN配線のメリット

LAN配線の大きなメリットは、オフィスのインターネット回線と電話回線を一元的に管理できる点です。

これにより、配線がシンプルになり、ネットワーク全体の管理が容易になります。

たとえば、LANケーブル1本でインターネットも電話も利用できるため、配線が複雑にならずに済みます。

また、インターネットを利用して通話を行うため、通話料金が通常の電話回線よりも安く抑えられることが多いです。

特に、同じネットワーク内での通話は無料になることが多く、社内通話におけるコスト削減が期待できます。

さらに、無線LANを利用すれば、物理的な配線が不要になるため、オフィスのレイアウトやデザインを損なわずに電話を利用できるのも利点です。

LAN配線のデメリット

LAN配線にはいくつかのデメリットもあります。

まず、LAN配線では、電話機に電力を供給する必要があります。

通常の電話線とは異なり、LANケーブルだけで電力を供給するには、PoE(Power over Ethernet)という特殊な技術を使う必要があります。

PoEに対応した機器がない場合は、別途電源ケーブルを用意する必要が生じます。

また、LAN配線はインターネット回線に依存しているため、ネットワークに問題が発生すると、電話も同時に使えなくなるリスクがあります。

たとえば、ネットワーク障害が起こった際には、電話がつながらなくなり、業務に支障をきたす可能性があります。

さらに、通話の品質もインターネット回線の状態に大きく影響されるため、回線が混雑していると音声が途切れたり、遅延が発生することもあります。

電話配線工事で注意したいこと

電話配線工事には、注意すべき重要なポイントがいくつかあります。

その中でも特に、電話システムの「主装置」に関する事項と「配線方式」に関する事項は、工事をスムーズに進めるために押さえておくべきポイントです。

ここでは、「主装置に繋げる電話機には上限がある」ことと、「異なる配線方式の電話機は繋げられない」ことについて詳しく解説します。

主装置に繋げる電話機には上限がある

電話システムの「主装置」とは、オフィスや家庭の電話機を管理・制御する装置のことです。

この主装置は、全ての電話機が接続される中心的な機器であり、外部との通話や内線通話を行うための指令塔のような役割を果たします。

主装置には、繋げられる電話機の数に上限があります。

例えば、ある主装置が最大で10台の電話機を接続できる仕様であれば、それ以上の電話機を繋げることはできません。

将来的に電話機や通信機を増やすことも考慮した仕様の選択が必要となります。

電話機の増設を検討している場合は、まず最初に、現在使用している主装置が何台の電話機に対応できるかを確認してみましょう。

上限を超える電話機を無理に接続しようとすると、システム全体に負荷がかかり、通話品質が低下したり、最悪の場合システムが正常に機能しなくなる可能性があります。

必要であれば、より多くの電話機に対応できる主装置への変更や追加を検討することもおすすめします。

異なる配線方式の電話機は繋げられない

電話機を接続する際には、使用する配線方式が一致していることが重要です。

電話システムにはいくつかの配線方式があり、前述の通り「スター配線」「バス配線」「LAN配線」などがあります。

それぞれの配線方式は、特定のタイプの電話機や主装置に適しています。

しかし、異なる配線方式に対応する電話機や主装置を混ぜて使うことはできません。

例えば、スター配線に対応する電話機をバス配線に繋ごうとしても、正常に動作しない可能性があります。

同様に、LAN配線に対応するIP電話を、従来のアナログ回線で動作させることはできません。

このため、新しい電話機を導入したり、既存の電話システムを変更する際には、現在使用している配線方式をしっかり確認し、それに対応した機器を選ぶことが必要です。

配線方式の確認方法としては、電話機や主装置のマニュアルや型番を調べることで、対応する配線方式がわかります。

もし、不明な点がある場合は、専門の業者やサポートに相談するとよいでしょう。

配線方式が一致していないと、システム全体が正常に機能しないだけでなく、トラブルが発生した際の原因特定も難しくなります。

配線方式を確認して、適切な電話機や主装置を選ぶことで、安心して電話システムを運用できるようになります。

電話線工事の手順

電話線工事の一般的な手順について解説します。

状況や家庭、ビジネスシーンによっても異なるので実際に工事をお願いする業者に確認する際の目安としていただけたら幸いです。

現地調査

現地調査では、工事を行う場所の状況を確認し、必要な配線や設備の設置箇所を決定します。

現地調査には、配線ルートの確認や、既存の配線設備の状態チェックが含まれます。

特に、オフィスや家庭のレイアウトや電話機の配置場所などを事前に確認することで、工事がスムーズに進むように計画を立てることができます。

また、増設の場合は既存のシステムの配線方式や機器の情報も併せて確認してもらうとよりスムーズです。

現地調査を通じて、工事に必要な資材や作業時間、予算なども見積もられるため、この段階でしっかりとした計画を立てることが重要です。

また、現地調査の際に、配線が通りにくい場所や、追加工事が必要な箇所がないかを確認しておくことも大切です。

なるべく意図や要望を業者に伝え、専門業者からのアドバイスをもらいながら決定していくと良いでしょう。

工事の申し込み(NTT)

電話線工事を行うには、NTTなどの通信事業者に工事の依頼を行う必要があります。

申し込みの際には、電話回線を利用する目的や、希望する工事日、必要なサービス内容などを伝えることになります。

また、工事にかかる費用についてもこの段階で確認します。

NTTへの工事申し込みは、通常、電話やインターネットから行うことができます。

申し込みの際には、利用する電話回線の種類(アナログ回線や光回線など)や、接続する電話機の台数、オプションサービスの有無なども一緒に確認されます。

正確な情報を提供することで、スムーズな工事が可能になります。

工事の実施

工事当日は、事前に決定した配線ルートや設置箇所に基づいて、専門の技術者が電話線を引き込みます。

工事内容によっては、建物の壁の中に配線を通したり、電話機を接続するためのコンセントを設置したりする作業が含まれます。

工事が完了すると、電話機が正しく動作するかどうかの確認が行われます。

問題があれば技術者がその場で修正を行います。

工事が全て完了したら、業者と一緒に電話回線が正常に動作することを確認しましょう。

電話線工事業者の選び方

電話線工事は電話だけでなくネットワークの構築にも関わってくる配線工事の一つです。

近年ネットやスマホの普及により電話自体の普及率は低下していますが、まだまだビジネスシーンでは必要な設備とも言えます。

配線工事は電気工事士の有資格者が行うことが法律で定められています。

さらに、専門的な知識を持った業者に配線計画を含めて依頼することで、より効率的に自分達にあったネットワーク運用が可能となるでしょう。

実績と経験

電話線工事業者を選ぶ際、まず確認したいのがその業者の「実績と経験」です。

業者がどのくらいの期間にわたって電話線工事を行ってきたのか、これまでにどれほどの工事を手掛けてきたのかを確認することで、その業者の信頼性を測ることができます。

特に、複雑なオフィス環境や特殊な配線が必要な場合、経験豊富な業者であればスムーズに対応してくれるでしょう。

また、業者がこれまでに取り扱った工事の事例や、顧客からの評価を確認することで、その業者があなたのニーズに合ったサービスを提供できるかを判断することができます。

対応範囲とサービス内容

次に考慮すべきは、業者が提供する「対応範囲とサービス内容」です。

電話線工事と一口に言っても、その内容は多岐にわたります。

例えば、屋内配線から屋外配線、さらにはビジネスフォンの設置やネットワーク配線など、さまざまなサービスが含まれます。

あなたが必要とする工事内容を業者が対応できるかどうか、また、付随するサービス(例えば、電話機の設定やインターネット回線との接続など)も提供しているかを確認しましょう。

業者が対応範囲の広いサービスを提供している場合、一つの業者にすべてを任せることができるため、手間が省けます。

アフターメンテナンスと非常時の対応

工事が完了した後も、電話線や配線機器にトラブルが発生することがあります。

そのため、「アフターメンテナンスと非常時の対応」がしっかりしている業者を選ぶことが重要です。

例えば、工事後に問題が発生した場合、迅速に対応してくれる業者であれば、安心して長期間利用することができます。

また、緊急時の対応が可能かどうかも確認しておきましょう。

例えば、電話回線が突然使えなくなった場合に、迅速に駆けつけてくれる業者であれば、ビジネスへの影響を最小限に抑えることができます。

費用の透明性

電話線工事の費用は、工事内容や配線の長さ、使用する機材などによって異なります。

見積もりを依頼する際には、費用の内訳が明確に示されているか、追加費用が発生する可能性がないかを確認しましょう。

一部の業者では、最初の見積もりには含まれていない費用が後から追加されることがあります。

こうしたことを防ぐためにも、事前に総費用がいくらになるのか、すべての項目を詳しく説明してくれる業者を選ぶことが大切です。ま

た、価格だけでなく、サービスの質やアフターフォローも考慮して選ぶと良いでしょう。

これらのポイントを押さえることで、信頼できる電話線工事業者を選び、スムーズな工事を進める一歩となることでしょう。

電話線工事のまとめ

いかがでしたか?

近年インターネットやスマートフォンの普及によって固定電話の普及率は減少しています。

しかし、ビジネスシーンではまだまだ活用しているケースも多く、電話配線工事は社内ネットワークの構築などにも多岐にわたわり活用されています。

さらに、2024年1月1日に電話回線は従来のアナログ網からIP網へと移行されました。

IP網への移行に関しては個人個人で行う手続きはありませんが、内容を理解しておくことをおすすめします。

電話配線工事は専門の業者にお願いすることが必要な配線工事の一つです。

特にビジネスシーンにおいては適切なネットワーク環境を整えることは業務の効率化にもつながります。

身近な電気をより安全に使い、より生活に沿った快適な生活に役立ちますように。

半世紀の歴史!
福岡県行橋市の電気会社
林田電気工業

電気に関するお悩みは
お気軽にご相談ください

専任のスタッフがお客様のご不明な点にお答えいたします。お困りでしたらお電話またはお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

受付:月〜金 10:00〜17:00 土日祝日 定休日