誘導灯設備工事の特徴と種類|設置届について詳しく解説

避難口にある緑色の人が走っているようなピクトグラムの描かれた照明器具を見たことはありますか?

この照明器具のことを誘導灯と言います。

誘導灯は火事や災害時に建物にいる人々が安全に避難できるように避難口や避難方向を示す役割を担っています。

消防法により設置する建物・場所に応じた誘導灯を選定する必要があります。

日常的に目にすることが多い照明器具ですが、役割や種類について詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか?

この記事では誘導灯の役割や種類、設置義務について詳しく解説していきます。

意外にも身近にある誘導灯。

いざという時のために設置やメンテナンスの大切さもお伝えできたら嬉しいです。

この記事の監修者

株式会社 林田電気工業

林田竜一

代表取締役

1級電気工事施工管理技士

行橋市で電気工事会社を経営しています。お客様ひとりひとりに丁寧に対応し、電気でつなぐ明るい未来をスローガンに地域に貢献できるように努めています。

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誘導灯設備とは?

誘導灯は、火災や事故などの緊急時に人々が安全に避難できるように案内する照明設備です。

誘導灯は避難口や避難方向を示すピクトグラムで表現されており、災害時には迷わずスムーズに避難できるようにします。

ショッピングセンター、百貨店、映画館、美術館、コンサート会場など人が多く集まる場所には必要に応じて、多数設置されていることが多いです。

誘導灯の設置は消防法施行令第26条」や各地方自治体の火災予防条例によって義務付けられています。

通常は常用電源で点灯していますが、停電時には自動で内部バッテリーからの非常電源に切り替わります。

最低20分間以上の点灯が可能であることが必須となっています。

大規模建築物では、避難に時間がかかることを考慮し、60分間以上点灯可能な誘導灯を設置する必要があるとされています。

参考|福岡県  火災予防条例

誘導灯と非常用照明の違い

「避難誘導灯」と「非常用照明設備」は、火災や事故が発生した際に人々が迅速かつ安全に避難を行うために設置される照明装置です。

どちらも人が多く集まる場所において、非常時に避難の誘導を行うなどの重要な役割を担っています。

「避難誘導灯」と「非常用照明設備」は、設置される目的が似ているために混合されがちです。

ここでは「避難誘導灯」と「非常用照明設備」の違いを詳しく解説します。

避難誘導灯

避難誘導灯は、非常用照明設備と同様に火災や事故時の迅速・安全な避難を目的としています。

具体的には非常口(避難口)や誘導経路を示すために設けられています。

避難誘導灯は「避難する道筋をガイドする灯」として機能し、室内や廊下を照らす目的の非常灯とは異なります。

誘導灯は消防法によって設置が義務付けられています。

非常用照明設備

非常用照明設備は、停電時に室内、廊下、階段などを照らし、人々がスムーズに避難できるようにする照明装置です。

前述の通りバッテリー内蔵型と電源別置型の二種類があります。

法律により、非常灯は停電から30分以上点灯し続けることが求められてします。

避難経路を明るく照らして、安全かつ速やかな避難を支援します。

非常灯は建築基準法によって設置が義務付けられています。

特徴避難誘導灯(誘導灯)非常用照明(非常灯)
目的避難誘導救助作業時の照明確保
耐熱性特に求められない140度の火熱に30分間以上耐える必要がある
種類避難口誘導灯、通路誘導灯など内蔵型、別置型など
点灯時間最低20分間、大規模施設では60分以上の長時間型最低30分間、床面1ルクス以上の照度を確保する
使用電源内蔵蓄電池内蔵蓄電池
法規制消防法で規定建築基準法で規定

誘導灯の種類

誘導灯はその目的に応じて様々な種類があります。

また、消防法により色や大きさなども細かく規定されています。

参考|消防法

避難口誘導灯

避難口誘導灯は、非常時に安全に避難できるように避難口への方向を示す照明器具です。

緑色の背景に、緑色の人間と避難出口または白色の矢印のピクトグラムで構成されています。

避難打ちのドアの上に設置されている誘導灯で、暗闇でも緑色に光ります。

そのため、災害時や停電時などに避難口がどこにあるのかをわかりやすく示す役割を担っています。

通路誘導灯

通路誘導灯とは、火災時でも安全に避難できるように避難の方向を明示した緑色の灯火です。

廊下や階段、通路に設置され、避難口がどちらの方向にあるかを示す誘導灯です。

通路の要所に設置されていて、大きな緑色の矢印と端に緑の人が扉をくぐるピクトグラムで構成されています。

緑色の矢印が避難口を教えてくれる誘導灯です。

そのため、広い建物内の長い廊下でも避難の方向を迷わずに屋外へ素早く避難する手助けをしてくれます。

客席誘導灯

客席誘導灯は、映画館やコンサートホールなど、多くの観客が固定されたイスに座って鑑賞を行う施設において、通路に面したイスに設置されている白色灯です。

客席の足元などで見かけることが多い誘導灯です。

白い箱のような形をしています。

客席の床面に避難上有効な明るさを与える必要があり、絵柄は特に描かれていません。

階段通路誘導灯

火災や停電などの際に避難経路となる階段や傾斜路などに設けられる誘導灯です。

避難素する際に足元が暗いと危険がさらに増します。

階段通路誘導灯は足元を照らしたり、今いる階が何階なのかを確認できるようにして避難者の安全を確保する役割を担っています。

一定の明るさを保つ必要があるため矢印などは描かれていません。

階段や遊路は陽の光が入らない建物も多く、いざという時に真っ暗になってしまう場合も多い場所です。

そのような場合にも安全に避難できるように設置されます。

誘導灯の種類役割特徴
避難口誘導灯避難口の位置を示す緑の看板に避難する人の形が描かれ、避難口のドア上に設置。暗闇で緑色に光り、避難口を容易に識別できる。
通路誘導灯避難経路を案内する通路の要所に設置され、大きな緑の矢印と扉をくぐる人の絵柄がある。長い廊下でも迷わず屋外へ誘導。
客席誘導灯映画館などの客席エリアでの避難を支援する客席の足元に設置され、シンプルな箱型デザインで規定以上の明るさを提供。足元が明るくなることで避難時の安全性が向上。
階段通路誘導灯階段や傾斜路での避難経路を照らす矢印などの特定の絵柄はなく、一定の明るさを提供。階段や通路が暗くなった場合でも迷わずに避難できるようにする。

誘導灯設備の寿命と交換時期の目安

古くなった誘導灯

誘導灯を正しく設置することはいざという時の安心安全の確保にとても重要なことです。

しかし、設置した後も適切に作動している必要があります。

照明器具である誘導灯にはバッテリーが内蔵されていて停電時でも20分以上、建物によっては60分以上の点灯が可能なものが設置されます。

器具自体にもバッテリーにも寿命があります。

誘導灯は、器具の正常な機能を確保し火災などの万一の事態に対応できるようにする必要があります。 

「建築基準法第12条第3項」で規定された点検を定期におこない、その結果を報告する義務がある照明器具の一つです。

参考|建築基準法

誘導灯設備のランプの交換時期

誘導灯のランプ(電球)は蛍光ランプとLEDランプ、どちらの電球を採用しているかによって交換時期が大きく異なります。

特性蛍光ランプLEDランプ
寿命約1~2年約7~10年
メリット交換部品が広く利用可能で入手しやすい
初期設置コストが比較的低い
長寿命で交換の頻度が低い
エネルギー効率が高く、電力消費が少ない
維持管理コストが長期的に見て低い
環境に優しい(有害物質を少なく含む、発熱が少ないなど)
特徴比較的短い寿命
時間が経つと光の強度が弱まる
点灯に時間がかかる場合がある
光効率が高い(より少ないエネルギーで明るく照らせる)
即時点灯
発熱が少ない
衝撃に強く、耐久性が高い

誘導灯の全体としての耐用年数は約10年とされています。

LEDランプを選択することで誘導灯自体の寿命に合わせてランプの交換が不要となります。

総合的なコスト削減とメンテナンスの効率化が図れると、近年は誘導灯のLEDランプへの交換も行われています。

誘導灯設備のバッテリーの交換時期

誘導灯は停電が起きた時にも点灯し続けることが大切な照明器具です。

停電している屋内で誘導灯の灯りも消えてしまっては、避難経路がわからなくなり、その機能を発揮できないためです。

そのため、誘導灯にはバッテリー(蓄電池)が付帯しています。

バッテリーの寿命は4〜6年と言われています。

バッテリー不良や容量不足はモニタで確認ができるものが多いです。

「ランプモニタ」と「充電モニタ」が設置されており、モニタの点滅で電源が切れているかどうかを判断することができます。

誘導灯はいざという時の避難に欠かせないものです。

定期的に専用業者の点検やメンテナンスを行うことが安心です。

参考|一般社団法人 日本照明工業会 防災照明器具の耐用年数・交換部品の寿命

誘導灯のリニューアルプレート

既存の古い蛍光灯タイプの誘導灯から、より効率的で寿命が長い新型のLED誘導灯への移行が近年進んでいます。

LED誘導灯への交換を容易にするためのカバーが「誘導灯のリニューアルプレート」です。

LED誘導灯はその高い輝度により、より小さなサイズで設計することが可能です。

LED誘導灯の移行によって省エネ性能の向上とランプの寿命が長くなることで交換頻度が少なることが期待できます。

そのため、多くの施設での更新が進められています。

大きな蛍光灯誘導灯から小型のLED誘導灯への交換時に生じる見た目の問題や設置の隙間を、リニューアルプレートが効果的にカバーする役割も担っています。

リニューアルプレートの設置は有資格者が行う必要がある工事の一つです。

誘導灯の設置義務と点検義務について

誘導灯の設置や点検は電気工事士法・消防法で義務つけられた有資格者が行う必要がある作業です。

また、誘導灯の設置は消防法で詳しく定められています。

誘導灯設備の設置義務

誘導灯は、消防法施行令第26条と各自治体の火災予防条例などにより細かく規定されています。

映画館や病院、ホテル、商業施設などの不特定多数の人が集まる場所への設置が義務つけられている照明器具の一つです。

マンションなどの共同住宅や工場などの特定の人が使用する建物の場合は設置基準が緩和されています。

地下(地階)や無窓階、高層階(11階以上)への設置が義務つけられています。

また、不特定多数の人が出入りする特定防火対象物に該当しない建物で、日常的に特定の人が出入りする場合には誘導灯の設置基準が緩和されています。

小型の誘導灯の設定が許可されています。

これは、建物を使用する人が建物の構造や避難経路を理解していると考えられているためです。

消防法にもとづく罰則規定

誘導灯の設置義務違反により建物の使用停止命令を受けた場合には、違反者だけでなく建物の管理者にも罰金が課せられます(両罰規定)

罰則対象罰則内容関連法令
建物の使用停止命令などを受けた違反者
(法人代表者など)
3年以下の懲役
または
300万円以下の罰金
消防法
第39条2の2
建物の使用停止命令などを受けた違反法人
(管理会社など)
両罰規定として
1億円以下の罰金
消防法
第45条
両罰規定:法令違反行為に対して行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても罰金刑を科すこと。

誘導灯は暗闇でも避難方向や避難口を示すための防災設備です。

そのため、消防用によって誘導灯の設置は厳格に義務つけられています。

火災などで煙が充満してしまった建物では、避難する方向がわからずに逃げ遅れに繋がり、被害が大きくなってしまう可能性があるからです。

参考|消防法

誘導灯設備の定期報告義務

誘導灯設備は誘導灯の維持と正常な機能の確保を保証するため、消防法や関連する法律に従って定期的に点検することが義務付けられています。

実施者点検は消防設備士などの資格を持つ専門家によって行われなければなりません。
頻度すべての機器に対して最低半年に1回(年に2回)の点検が必要です。
点検報告の義務不特定多数の人が出入りする特定防火対象物: 年に1回の報告が必要。
それ以外の防火対象物: 3年に1回の報告が必要。
罰則違反行為: 定期点検の実施忘れ、点検結果の未報告、虚偽の報告。
罰金: 30万円以下。
その他: 拘留の可能性あり。
資格要件誘導灯の点検には、消防設備士や消防設備点検資格者といった特定の資格が必要です。

参考|消防用設備等点検報告制度|福岡市消防局

誘導灯設備設置の届出について

誘導灯設備は、工事完了後4日以内に、その建物の関係者(所有者・管理者・占有者)が所轄の消防長又は消防署長に消防設備等設置届出書を提出することが義務付けられています。

誘導灯設置の届出に必要な書類
  1. 消防用設備等(特殊消防用設備等)設置届出書
  2. 配置図:建物の場所を示す地図。
  3. 対象物概要表
  4. 誘導灯概要表:消防署によっては必要。
  5. 誘導灯及び誘導標識試験結果報告書
  6. 配線の試験結果報告書
  7. 設置した誘導灯の承認図
  8. 配置および設置図面:平面図

自治体によって異なる場合があるため、専門業者や自治体に確認を取ることをおすすめします。

参考|福岡市消防用設備等設置届関係 (届出様式一式)

誘導灯設備工事を依頼する際のヒント

誘導灯設備は、火災や停電が起きた際に逃げ遅れを防ぎ人命を守る大切な設備です。

そのため、設置業者も信頼のできる業者選びが大切になります。

有資格者が在籍している専門業者を選ぶ

誘導灯の設置やメンテナンスには、電気工事士や消防設備士などの資格が必要です。

設置報告や定期点検の報告義務もあるため、電気工事士・消防設備士双方が在籍している業者だとより安心です。

問い合わせをする際にしっかりと確認することをおすすめします。

定期点検や自治体への報告を行える業者を選ぶ

誘導灯は定期的な点検や必要に応じたメンテナンスが必須です。

非常時に機能しないという事態を避けるためにも、アフターサービスがしっかりしている業者を選ぶことが重要です。

また、消防設備士による定期的な報告義務が必要な設備なため、その報告も行うアフターメンテナンスを行なっているのかも合わせて確認しましょう。

地元で長く携わっている業者を選ぶ

地元で長年営業している業者は、その地域の建築様式や過去の災害復旧などにも精通していることが多いです。

定期的な点検やメンテナンスが必要な非常用照明設備は、異常や不具合が発見された際に素早い対応が求められる設備でもあります。

万が一の時のために、地元の業者にお願いすることが安心の設備工事の一つです。

誘導灯設備工事のまとめ

いかがでしたか?

普段何気なく目にしている誘導灯設備。

使う機会がないのが1番ですが、万が一の際には命を守ってくれる手伝いをしてくれる大切な設備の一つです。

消防法により厳しく規制されているのは、雑居ビルでの火災時に誘導灯が適切に設置されておらず逃げ遅れた犠牲者が多かったということも一因と言われています。

定期点検やメンテナンスをしっかりと行ってほしい設備です。

安心できる業者に相談しながら、適切に設置することをおすすめします。

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